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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫のノミアレルギー性皮膚炎とは

ノミに対する過敏症によって強い痒みが出ます。

ノミアレルギー性皮膚炎とは、ノミの唾液に含まれる物質に対して強い免疫反応が起こり、過敏症症状を示す免疫疾患です。

ノミに吸血される際、ノミの唾液腺から炎症を引き起こす様々な物質が体に入ることがきっかけになり発症しますが、猫によって発症する個体と発症しない個体があります。

ノミに刺されて起こる皮膚の炎症とは異なり、発症するとノミの寄生数が少なくても激しい痒みや脱毛、皮膚の炎症を起こすのが特徴です。
ノミが多くみられる夏から秋口にかけて症状が悪化し、生活環境の中にノミが入りこんでしまうと、暖房設備が整った家庭では冬でも症状が継続します。

症状を改善するためには猫自身に寄生しているノミの駆除に加え、生活環境内の徹底したノミの駆除が必要です。

猫のノミアレルギー性皮膚炎の症状とは

激しい痒みと皮膚症状がみられます。

ノミアレルギー性皮膚炎は、免疫反応によっておこる痒み症状が特徴です。
主に見られる症状は以下の通りです。
・全身の痒み
・湿疹
・腰背部にみられる粟粒性皮膚炎
・過剰な毛づくろいによる脱毛、毛切れ
・全身を強く掻くことによる脱毛、傷
・好酸球性肉芽腫

症状の程度は猫によって様々です。
多数のノミが寄生していてもノミアレルギー性皮膚炎を発症しない猫もいれば、ごく少数の寄生でも激しい痒み症状や脱毛、皮膚炎症状を示す猫もいます。

粟粒性皮膚炎と自己損傷性脱毛がおこります。

粟粒性皮膚炎とは、皮膚の表面に瘡蓋が付着した丘疹ができる皮膚炎です。
触るとボコボコとした膨らみがあり、表面の瘡蓋がグルーミングや後ろ足で掻くことによってはがれると出血し、徐々に悪化します。
腰背部で見られることが多い症状です。

皮膚に明らかな症状がなく、頻繁に執拗に毛づくろいをする、という症状として表れる場合もあります。
毛を舐めたりかじったりすることによって毛が抜けたり、切れたりするため、その部分の毛が薄くなってしまいます。
主に下腹部や内股などで見られます。

好酸球性肉芽腫ができます。

好酸球性肉芽腫とは、好酸球という細胞が皮膚や粘膜に集まることによって、皮膚に様々な大きさのしこりや潰瘍を作ってしまう皮膚病変です。

好酸球は体の免疫細胞の一種で、アレルギー反応や寄生虫感染に反応して集まります。
好酸球が局所的に集まることによって、唇などの粘膜に潰瘍病変を作ったり、皮膚炎や肉芽腫を作り、脱毛、びらんなどを起こし、猫自身が舐めることによって表面が削れ、症状は次第に悪化します。

猫のノミアレルギー性皮膚炎の原因とは

ノミの唾液成分に対する過敏症反応が原因です。

ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミに刺された部分に起こるノミ刺咬性皮膚炎とは異なり、ノミの唾液成分に対して起こった免疫反応による、過敏症です。

きっかけはノミに刺されることです。
ノミが吸血する際に、唾液腺からアレルギーの原因となるヒスタミン様物質が体に入り込み、それに対して猫の体が免疫反応を起こすことによって発症します。

ノミアレルギー性皮膚炎では、ノミの寄生数は関係ありません。
過敏反応が強く起こっている猫では、たとえ一匹の寄生でも激しい痒み症状を引き起こします。

少数寄生の場合はノミを見つけることが難しいために、診断が遅れてしまうことがあり、試験的なノミ駆除薬の投与によって症状が改善し、診断されることもしばしばです。

猫のノミアレルギー性皮膚炎の好発品種について

好発する品種はありません。

特にありません。
主に屋外で活動する猫で見られます。

猫のノミアレルギー性皮膚炎の予防方法について

室内飼育でノミとの接触を防ぎましょう。

ノミは屋外で感染するため、室内飼育にして家庭内にノミを持ち込まないことで予防できます。

定期的に予防・駆除薬を付けて予防できます。

屋外に出る猫や、感染の機会がある猫では、定期的に予防・駆除薬を付けることでノミの寄生を予防しましょう。
月一回、背中に滴下するタイプの予防薬や、首輪タイプなど様々な予防薬が市販されていますので、生活スタイルや猫ちゃんの体質に合ったものを選んであげましょう。

家庭内の清掃も徹底的に行いましょう。

ご自宅の猫ちゃんにノミが寄生したことがある場合には、生活環境内にもノミが潜んでいる可能性があります。
場合によっては家庭用のノミ駆除剤を使用するとともに、繊維性の猫ベッドやクッションなどで交換できるものは新しいものに変え、カーペットなど交換できないものは念入りに掃除機で清掃し、掃除機パックもすぐに交換しましょう。

猫のノミアレルギー性皮膚炎の治療方法について

ノミの駆除を行います。

ノミアレルギー性皮膚炎では、猫自身に寄生しているノミと、生活環境内のノミを徹底的に駆除することが必要です。
ノミの駆除剤を猫自身に投与した後、しばらくしたら体に付着しているノミの死骸や糞、卵などを取り除くためにシャンプーで体を念入りに洗い流します。

それと同時に上に挙げた様な生活環境の清浄化を行い、徹底的にノミの排除を行います。
ノミ駆除は一度きりではなく、2~3カ月は継続して行うことが勧められます。

痒みや皮膚病変の治療を行います。

皮膚にできてしまった病変に二次感染が起こらないようにするために、症状に応じて抗生物質などの投与を行います。

一般的にはノミを駆除するとそれぞれの病変は次第に良化していきますが、痒み症状や炎症を引きずってしまう場合には、ステロイド剤を一時的に使用して炎症を抑え、痒みを断ち切ることが必要な場合もあります。

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