猫の好酸球性肉芽腫症候群とは
炎症細胞の集簇によって皮膚に潰瘍などができます。
好酸球性肉芽腫症候群は、猫の皮膚に潰瘍やしこり状の膨らみ、皮膚のただれなどの病変を作る病気です。
体の免疫細胞の一種である好酸球という細胞が皮膚の一部分に集中して集まることによって、皮膚に炎症や潰瘍病変、しこりを作ります。
病変のパターンによって分類されるいくつかの病態を総称して、好酸球肉芽腫症候群といいます。
明らかな発症原因は不明ですが、アレルギーや細菌感染などが要因となるのではないかと考えられています。
免疫を抑える治療を行うと非常によく反応して改善しますが、発症要因が除外されなければ再発を繰り返すこともあります。
猫の好酸球性肉芽腫症候群の症状とは
様々な場所に様々な程度の病変ができます。
好酸球性肉芽腫症候群の中には、以下のような呼び方の病変が含まれます。
・好酸球性潰瘍(無痛性潰瘍)
・好酸球性局面
・好酸球性肉芽腫(線状肉芽腫)
好酸球性潰瘍は、主に口唇や口腔粘膜に潰瘍病変を作ります。
潰瘍の辺縁は少し隆起し、中央部分はくぼんだ形の潰瘍を作り、表面は赤くただれたように見えますが、痒みや痛みといった症状はあまり見られません。
好酸球性局面は、お腹や太ももの内側の皮膚などに、わずかな皮膚の隆起あるいはくぼみとしてみられる、境界が明瞭な皮膚病変を作ります。
赤みを伴い、表面は滲出液でやや湿っていることもあり、好酸球性潰瘍とは異なり強い痒みを示すのが特徴です。
好酸球性肉芽腫は、口唇や口腔粘膜、太ももの後ろ側などの皮膚に、皮膚の隆起やくぼみ、潰瘍、しこりなどといった様々な形の病変を作ります。
痒みの症状はあまり見られません。
猫の好酸球性肉芽腫症候群の原因とは
原因は不明です。
原因は不明とされていますが、発症に関連する要因として、アレルギー、アトピー、細菌感染、昆虫などによる刺咬、食べ物、遺伝、物理的な刺激などが示唆されています。
猫の好酸球性肉芽腫症候群の好発品種について
好発する品種はありません。
好発品種はありません。
どんな猫でも起こりますが、比較的若齢(2~3歳)の猫で多くみられ、オスよりもメスの方が好発する傾向があるとされています。
猫の好酸球性肉芽腫症候群の予防方法について
原因が不明のため、予防は困難です。
発症に関連する要因とされているものをできるだけ避けることが望ましいですが、アレルギーなどは簡単には診断できないため、発症する前に予防することは難しいのが実際です。
猫の好酸球性肉芽腫症候群の治療方法について
発症に関与している要因を取り除くことが必要です。
ノミの感染や細菌感染によっておこっていることが考えられる場合には、それぞれに対応したお薬を使用します。
アレルギーなどの治療を行っている場合も、アレルゲンをできるだけ除去することで治療の成功率が上がります。
免疫を抑える治療を行います。
発症に関連している要因がはっきりしない場合には、免疫を抑える治療として、ステロイド剤や免疫抑制剤を使用します。
これらのお薬への反応は非常に良く、多くの症例で改善がみられますが、発症要因を除外できなければ再発も多くみられます。