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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫のニコチン中毒とは

タバコの誤食によって中毒症状を示します。

タバコに含まれるニコチンは、少量でもペット達には大きな健康被害をもたらします。
タバコの副流煙に含まれる成分も勿論ですが、中毒の原因となるのは、タバコの吸い殻などの誤食です。

ニコチンを多量に摂取すると、吐き気や下痢などの消化器症状に始まり、摂取量によっては興奮、頻脈、神経障害などといった重篤な症状を示し、大量摂取の場合は死に至ることもあります。

タバコは絶対にペットの手に触れる場所には放置しないようにしましょう。
また、誤って口にしてしまった場合には、速やかに病院へ連れて行き、催吐処置や胃洗浄、点滴などといった適切な処置がうけられるように努めましょう。

猫のニコチン中毒の症状とは

消化器症状から神経症状、呼吸麻痺が現れます。

タバコを誤って少量口にしてしまった場合は、流涎や下痢、吐き気などといった症状が現れます。
運がよければ吐いたときに一緒に誤食したタバコが出てくることがあります。

しかし、大量に食べてしまった場合は、重篤な症状の後に死亡してしまう可能性もあり、非常に危険です。

主に見られる症状は以下の通りです。
・元気がない
・涎をたくさん垂らす
・下痢、しぶり
・吐き気、嘔吐
・ぐったりしている
・徐脈(脈が遅くなる)→のちに頻脈(脈が異常に速くなる)
・興奮
・呼吸が浅く、遅くなる
・チアノーゼ
・呼吸麻痺
・痙攣
・起立困難
・虚脱
・体の震え

症状は摂取から1時間ほどすると現れます。
それまでの間に、適切に対処することができるがどうかが重要です。

猫のニコチン中毒の原因とは

タバコの誤食が原因です。

原因は人が放置したタバコの誤食です。
ゴミ箱を悪戯して漁った際に口にすることもありますし、遊んでいるうちに灰皿をひっくり返して、追いかけまわしているうちに食べてしまうこともあります。

また、タバコの成分が溶けだした水を舐めることによっても起こることがあります。
空き缶などを灰皿代わりにして放置していると、何らかのはずみでそれをひっくり返し、汚れた手足を舐めて摂取してしまうことが考えられます。

またタバコ以外のニコチン含有製品(ニコチンガム、葉巻、噛みタバコ、ニコチンパッチなど)の誤食もあり得るため、注意が必要です。

犬猫では体重1kgあたり1~2mgのニコチンを摂取すると毒性があるとされていますが、致死量がどれ位かははっきりと示されていません。
一般的なニコチン含有製品のニコチン量は以下の通りです。
 タバコ 13~30mg/本
 葉巻  15~40mg/本
 タバコの吸い殻 5~7mg/本
 ニコチンパッチ 8.3~114mg/パッチ

猫のニコチン中毒の好発品種について

全猫種で好発します。

どんな猫でも起こりますが、好奇心旺盛な子猫では特に注意が必要です。

猫のニコチン中毒の予防方法について

タバコの管理を徹底しましょう。

予防方法としては、猫の手が届かないところにタバコや吸殻を置くことを徹底する、ということに尽きます。
ゴミ箱を悪戯してしまう場合には、蓋つきの猫が開けられないタイプのゴミ箱にしましょう。

猫のニコチン中毒の治療方法について

速やかに催吐処置を行います。

タバコを誤って食べてしまった場合、様子を見ることはしてはいけません。
できるだけ早く吐かせることが必要です。

1時間以内であれば、ニコチンがあまり吸収される前に体から除去できます。
洗剤などの誤食例では、水や牛乳を飲ませるという処置が推奨されているものもありますが、タバコの場合には水分が入るとその水分でニコチンが溶け出し、吸収が早まってしまいます。
何も飲ませずにすぐに病院へ行き、速やかに催吐処置をしてもらいましょう。

大量に誤食してしまった場合には、鎮静をかけて胃洗浄を行う場合もありますが、猫でそこまで大量のタバコと誤食することは稀です。

症状が現れている場合はそれぞれに対応した治療が必要です。

既に何かしらの症状が現れている場合は、ある程度ニコチンが吸収されてしまっていることを示唆しています。
時間的にまだ胃の中にタバコがありそうであれば催吐処置や胃洗浄を行いますが、かなり時間が経過してしまっている場合には、それぞれの症状に対する治療を行います。

多くの場合は点滴を行い、体からニコチンが代謝されて排泄されるのを促進します。
また、同時に活性炭を経口投与してさらなるニコチンの吸収を抑え、胃粘膜保護剤を投与して吐き気を抑えます。
痙攣をおこしている場合には、抗痙攣薬を注射します。

呼吸が不安定な重篤な症例では、酸素吸入を行いながら心拍数をモニターし、重度の徐脈には心拍数を上昇させる注射を打つなど、集中管理が必要です。

症状が徐々に落ち着き、意識がはっきりしてくるようであれば改善傾向ですが、中にはそのまま命を落としてしまう場合もあります。

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