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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の尿毒症とは

腎不全の結果生じる全身性疾患の症候群です。

尿毒症とは、腎臓の機能不全で起きる徴候のすべてを指し、消化器系(消化管潰瘍、膵炎、腸炎など)、免疫系、血液系、循環器系、神経系、筋骨格系、内分泌系など全身に様々な影響を及ぼします。特に犬では膵炎など消化器疾患を併発することが多いとされています。

犬の尿毒症の症状とは

様々な症状が見られます。

腎臓は体内でつくられた尿素や窒素などの多くの代謝老廃物を排出しますが、腎臓の機能が低下すると十分な排出ができなくなり、それらが体内に蓄積した状態である高窒素血症を引き起こします。これは血液検査でBUNやクレアチニンの上昇で知ることができます。高窒素血症が続くと、有害な物質が体内に蓄積された状態である尿毒症となり、様々な障害を引き起こします。

尿毒症の症状としましては、食欲不振、嘔吐、下痢、便秘、尿臭のする息、元気消失、体重減少、被毛の失沢、貧血、不整脈、痙攣、昏睡などが現れます。

犬の尿毒症の原因とは

尿毒症は腎不全の進行が原因になります。

尿毒症の原因は、急性腎不全および慢性腎不全になります。

急性腎不全の原因は、腎前性(脱水などによる腎血流の減少)、腎性(腎実質の障害)、腎後性(尿管~尿道までの閉塞)に分類されます。犬の急性腎不全の原因は、腎性が約60%と一番多く、続いて原因が特定できなかったものが約30%、その後に腎前性が約10%、腎後性が原因で急性腎不全として動物病院に搬送される割合は少ない傾向にあるとされています。犬の腎性腎不全の原因としましては、毒物や薬物(ブドウ、エチレングリコール、ヘビ毒など)、感染(レプトスピラ症など)、免疫介在性などが挙げられます。

慢性腎不全は、犬では免疫複合体性糸球体腎炎、非免疫複合体性糸球体腎症、腎アミロイドーシス、尿細管間質障害など病理学的にバリエーションが多いため、徴候や進行の程度は様々です。

犬の尿毒症の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

急性腎不全は、あらゆる犬種で発生します。原因によっては中高齢で発症しやすいと言えますが、若齢でも発症します。

慢性腎不全は、ケアーンテリア、サモエド、シーズー、ジャーマンシェパード、チャウチャウ、バセンジー、ビーグル、ブルテリア、ラサアプソなどに遺伝的素因があるとされています。

犬の尿毒症の予防方法について

腎不全の早期発見、早期治療をおこないます。

急性腎不全は、原因によっては予防出来ると言えます。
脱水、尿路の閉塞が見られる場合は、早期発見・早期治療をおこなうことで、急性腎不全が続発することを予防しましょう。
薬物・毒物に関しては、犬が届く場所に置かない、散歩中に拾い食いさせない、などで予防しましょう。
レプトスピラ症も急性腎不全の原因となりますが、レプトスピラ症はワクチンがあります。定期的にワクチン接種をすることが急性腎不全の予防に繋がると言えます。

慢性腎不全を予防するには、栄養バランスのとれた食事を与えることが大切です。
また、慢性腎不全を続発させる可能性のある基礎疾患、併発疾患、進行リスクの管理が重要になります。糖尿病、心疾患、膵炎が基礎疾患あるいは併発疾患として存在していることが多いとされています。尿石症、細菌性膀胱炎も併発していることが多いです。歯肉炎は進行リスクとなることがあります。これらの疾患を治療、管理することで、慢性腎不全の予防および症状の進行を遅らせることが出来る可能性があります。

犬の尿毒症の治療方法について

腎不全の治療をおこないます。

急性腎不全の原因として感染症、自己免疫疾患、尿路閉塞などの疾患が見られる場合は、その疾患の治療をおこないます。
原因疾患の治療をおこないながら輸液療法をおこないます。脱水補正、電解質異常の是正、血圧や腎血流量の維持が目的になります。障害を受けた腎臓が治癒するには数週間から数か月かかるため、輸液は腎臓自体を治すわけではありません。
乏尿や無尿の場合は輸液療法をおこない、血圧が低い場合は血圧を挙げる昇圧薬を投与することがあります。昇圧薬を投与して血圧が維持出来ているのに乏尿や無尿が続く場合は、血液透析が適応となります。

慢性腎不全の場合は、嗜好性に問題が無ければ腎疾患用の療法食を給餌します。口腔衛生の維持が可能な場合はウェットタイプが推奨されています。ただし、基礎疾患や併発疾患によっては、その疾患に合わせた療法食を使用します。蛋白尿が疑われる場合は、血管拡張薬の投与をおこないます。高リン血症が認められる場合は、リンの吸着剤を投与します。

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