監修: 葛野 宗 獣医師
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犬の反応性組織球症とは
組織球が異常に増殖する疾患です。
反応性組織球症は組織球が異常に増殖することによる疾患です。腫瘍化した組織球が原因となる組織球肉腫や皮膚組織球腫とは区別されます。
犬の反応性組織球症の症状とは
皮膚組織球症
症状のよく似た皮膚の良性腫瘍である皮膚組織球腫では単発性の病変(できものやしこり)がみられるますが、皮膚組織球症では単発~複数の病変がみられます。
全身性組織球症
全身臓器で組織球の増殖がみられ、病変により症状は異なります。元気食欲の低下などの一般的な体調不良にくわえ、眼の炎症、呼吸が苦しいなどの症状は比較的よくみられるといわれています。
犬の反応性組織球症の原因とは
原因は不明です。
反応性組織球症では免疫をつかさどる細胞の一種である組織球が、なんらかの理由で異常に増殖します。細胞の形態上、腫瘍化した組織球が原因ではありませんが、なぜこのような病態が引き起こされるのかは明らかにされていません。
犬の反応性組織球症の好発品種について
以下の犬種で好発がみられます。
- バーニーズマウンテンドッグ
全身性組織球症ではバーニーズ・マウンテンドックが好発犬種として知られています。
犬の反応性組織球症の予防方法について
主に早期発見、早期治療をおこないます。
反応性組織球症は早期発見、早期治療が重要になる疾患です。家庭での健康チェックだけではなく、定期的な動物病院での健康診断を受診することで、隠れている病変を見つける手助けになります。
犬の反応性組織球症の治療方法について
内科的な治療をおこないます。
反応性組織球症ではステロイド剤などの免疫を抑制する作用がある薬を投与して、組織球の異常な増殖を抑えます。症状の再発や増悪を繰り返す特徴があり、長期の治療が必要になります。