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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の肛門周囲腺腫とは

肛門周囲腺に発生する良性腫瘍です。

肛門周囲腺は皮脂腺であり、肛門周囲以外にも包皮、尾、および腰部背側の皮膚にも存在します。そのため、肛門周囲腺腫は、肛門周囲以外のこれらの部位に発生することもあります。肛門周囲腺は、男性ホルモンであるテストステロンによる刺激により良性の腫瘍化を来すことが知られています。

犬の肛門周囲腺腫の症状とは

肛門周囲の毛が生えていない部分に腫瘍が発生しやすいとされています。

肛門周囲腺腫は、肛門周囲の毛が生えていない部分に発生しやすいとされています。単発性に認められる場合もあれば、多発性に発生することもあります。腫瘍の成長は緩徐ですが、長期間無治療で経過すれば数cmまで成長し、腫瘍の表面が潰瘍化することもあります。一方、肛門周囲腺癌は肛門周囲腺腫と比較して成長が早く、潰瘍も発生しやすいとされ、単発性に発生することが多いとされています。

肛門周囲由来の腫瘍であることは細胞診により容易に診断可能ですが、良性悪性の判断は細胞の形態のみでは困難です。そのため、症例のシグナルメントや腫瘍の臨床的挙動を加味し、どちらの腫瘍であるかを検討します。未去勢雄に発生した場合には良性の腺腫を疑いますが、雌や去勢済雄に認められ増大速度が速い場合には悪性の腺癌を疑います。

犬の肛門周囲腺腫の原因とは

テストステロンが原因になります。

肛門周囲腺は、男性ホルモンであるテストステロンによる刺激により良性の腫瘍化を来すことが知られています。一方、肛門周囲腺癌の発生に関してはテストステロンとの関連はなく、どの性別でも認められますが、その発生頻度は肛門周囲腺腫と比較して低いとされています。

犬の肛門周囲腺腫の好発品種について

全犬種で好発します。

どの犬種でも起こり得ます。肛門周囲腺は、男性ホルモンであるテストステロンによる刺激により良性の腫瘍化を来すため、肛門周囲腺腫は去勢手術をされていない高齢の雄でもっとも多く認められます。また、まれではあるものの雌での発生も認められます。雌での発生に関しては、避妊手術を受けた犬や、副腎からのテストステロン分泌が起こっている犬で認められます。

犬の肛門周囲腺腫の予防方法について

去勢手術を受けることで予防につながります。

肛門周囲腺は、男性ホルモンであるテストステロンによる刺激により良性の腫瘍化を来すため、去勢手術を受けることで肛門周囲腺腫の予防につながる可能性があります。

犬の肛門周囲腺腫の治療方法について

去勢手術、腫瘍本体の切除をおこないます。

肛門周囲腺腫の治療の第一選択は去勢手術になります。多くの症例では去勢手術のみで腫瘍の退縮が認められます。雌やすでに去勢手術を受けている雄の場合には、腫瘍本体の切除をおこないます。未去勢雄でも大型の腫瘍が形成されている場合には、去勢手術と同時に辺縁部での腫瘍の切除手術(大型の腫瘍のみ)を併用する場合もあります。このとき、腫瘍の切除により周囲組織の欠損が大きくなる場合には、去勢手術のみを実施し、腫瘍が縮小した後に腫瘍本体の切除をおこなうことも検討します。

肛門周囲腺腫を摘出する際には、解剖学的にマージンを十分に確保するのが困難な場合も想定されます。肛門周囲腺腫を切除するために、外科侵襲を大きくしすぎることがないように注意する必要があります。

予後

肛門周囲腺腫の予後は良好であり、去勢手術あるいは原発巣の切除により完治が期待できます。一方、肛門周囲腺癌は一般的に腫瘍の大きさが5cm以下の場合には長期の生存が期待できるとされていますが、遠隔転移が認められている場合には有効な治療法が無く初期の積極的な治療介入が重要になります。

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