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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の分離不安症とは

犬が愛着を感じている人と離れる際に生じる苦痛を伴ったストレス反応のことです。

犬の分離不安症とは、犬が愛着を感じている人と離れる際に生じる苦痛を伴ったストレス反応のことを言います。一般的に、分離不安症を生じる愛着の対象者となるのは、特定の1人または複数の飼い主家族です。

犬の分離不安症の症状とは

破壊行動、吠え、不適切な排泄などが見られます。

分離不安症の主な症状としましては、破壊行動、過剰な吠え、不適切な排泄などが認められます。その他には、過度な流涎、嘔吐や下痢、過剰な舐めやグルーミング、食欲不振、震え、落ち着きなく回ったりうろうろするなどの常同行動が、飼い主の不在時または飼い主のもとへ行くことができない状況においてのみ認められます。このような症状は、通常は犬が飼い主の外出を予期した時点から始まることが多く、飼い主の外出後30分以内に発現します。その後、時間の経過とともに徐々に減っていくか、一定の間隔で繰り返すこともあります。また、飼い主の帰宅時は強く興奮し、大げさな挨拶行動を示します。

犬の分離不安症の原因とは

さまざまな原因で不安が生じます。

特定の飼い主に対する過度な愛着傾向、飼い主の外出時における不安傾向がある犬は分離不安症を発症する可能性があります。このような傾向が見られる原因としましては、長時間の留守番の経験、遺棄された経験、留守番中の怖い経験、家族が増えたり減ったりした経験、などが挙げられます。

犬の分離不安症の好発品種について

全犬種で好発します。

発症要因における品種、性別、年齢はとくにないとされていますが、シェルターなどで保護された犬に多かったという報告や、品種においては、純血種よりも雑種において発症が多かったという報告があります。また、性別においては雄(60%)が雌(40%)より多かったという報告があります。年齢においては、多くが3歳ころまでに症状を示し、高齢犬は加齢に伴い不安傾向が高くなり、分離によるストレス反応を示しやすくなります。

犬の分離不安症の予防方法について

犬とのかかわり方に注意しましょう。

普段から飼い主は犬からの要求や注目に応じないようにし、犬が自立して落ち着いて過ごしている状況に関心や報酬を与えるようにしましょう。飼い主から離れた場所で落ち着いて過ごせるように習慣づけておくことが、分離不安症の予防につながる可能性があります。

犬の分離不安症の治療方法について

行動修正法、薬物療法をおこないます。

報酬を用いた「お座り、伏せ、待て」などのコマンドトレーニングをおこないます。決まった時間に毎日おこない、日課にすることで、犬とのかかわり合いをわかりやすく予測しやすいものにします。また、落ち着いて飼い主の指示に従う練習になります。

分離不安症の犬は、飼い主の外出を予期した時点から不安が始まるため、実際の外出の際は、外出の手掛かりとなる動作(服を着替える、化粧をする、鍵やカバンを持つ、上着を着るなど)をできるだけ減らすようにします。また、外出しないタイミングで実際の外出の準備を繰り返しおこない、このような手掛かりに慣らすようにします。

拮抗条件づけと呼ばれる、刺激に対して生じる望ましくない反応と相容れない反応をするように条件づける行動修正法をおこないます。外出のときに、犬に好物やおやつを詰めた知育玩具を与えることで、「飼い主の外出=おいしいものがもらえること」と関連付けていきます。

外出前の過剰な声掛けや帰宅時の激しい挨拶を控えるようにします。帰宅時はしばらく無視をして、犬の興奮が落ち着けば関心を与えるようにします。

日常的に適切な運動をさせることは非常に大切です。とくに外出の前に散歩などで運動させておくと、疲れることにより留守番中に落ち着きやすくなります。また、外出時に犬が空腹になるようにしておくと、好物や知育玩具に集中しやすくなります。

薬物療法は、不安が軽減することで行動修正時における学習の促進や飼い主への依存心の改善が期待できます。通常は、行動修正法と併用します。代表的な薬剤は、三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬などが挙げられますが、効果が得られるまでに1~2か月の投薬が必要です。

予後

犬の不安の程度や発症してからの期間、飼い主の治療に対する取り組みの程度により予後はさまざまですが、症状の改善には数週間~数か月程度必要です。また、一部のケースでや他の不安に起因する問題行動を併発していればさらなる治療が必要な場合もあります。

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