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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の子宮蓄膿症とは

子宮に細菌感染による膿が貯留します。

子宮に細菌感染が起き、多量の膿が貯留する疾患です。元気消失、嘔吐、多飲多尿、膣からの膿の流出などの症状がみられ、急性の子宮蓄膿症では数日~1週間程度の経過で命に関わる状態になります。早期発見・治療が重要であり、疑わしい症状がみられたときには至急動物病院を受診してください。

犬の子宮蓄膿症は6歳以上の未避妊、未経産の犬で多く発生します。若齢で出産後、長く出産していない場合も高リスクです。

犬の子宮蓄膿症の症状とは

嘔吐、多飲多尿、膣からの膿の流出などがみられます。

子宮内に細菌感染が成立することで膿が貯留し、バルーン状に拡張します。この状態は下腹部膨満、下垂として外見から判断出来ることがあります。開放性の子宮蓄膿症の場合、貯蓄した膿は炎症により腫大した外陰部から白色~濃黄色の液体として流出しますが、閉塞性では膿が流出せず子宮破裂のリスクが高いと考えられます。

子宮内の感染により炎症性サイトカインと呼ばれる炎症を誘起する物質が多量に分泌され、元気消失や嘔吐を引き起こします。また、血液から体内に侵入した細菌は腎不全を引き起こし、多飲多尿の原因になる他、敗血症を続発させる恐れがあります。

子宮破裂した場合、貯留していた膿が腹腔内に漏出し、劇的で致死的な腹膜炎を引き起こし犬は死に至ります。過分泌された炎症性サイトカインや敗血症によってショック症状を引き起こし、命を脅かす可能性もあります。

数日から1週間で症状が急速に悪化する急性の子宮蓄膿症のほか、1カ月以上症状が続く慢性の子宮蓄膿症もあります。この場合、外陰部からの膿の流出がみられる開放性の子宮蓄膿症であることが多く、犬は脱水と栄養不足により削痩します。慢性の子宮蓄膿症でも自然治癒することはなく、早期に治療を開始しないと手術を耐えるだけの体力がなくなってしまい、最悪治療を行う前に死亡する可能性があります。

犬の子宮蓄膿症の原因とは

子宮内膜の変性および細菌感染が原因です。

子宮内膜の嚢胞性増殖と細菌感染が原因です。原因菌の多くは大腸菌であり、糞便や外陰部の汚れに含まれる細菌が子宮内に侵入し感染することで蓄濃すると考えられています。

犬の子宮蓄膿症の好発品種について

全犬種で好発します。

子宮蓄膿症は未避妊のメスであればどのような犬種でも起り得る疾患です。

犬の子宮蓄膿症の予防方法について

避妊手術を行い予防します。

子宮蓄膿症の根本的な予防法としては避妊手術があります。出産の予定がない犬において初回の発情前に避妊手術を行うことで、乳腺腫瘍などの生殖器疾患を予防することができるので、子宮蓄膿症の予防以外にもメリットがあります(子宮蓄膿症予防は発情回数と無関係)。

避妊手術を行うためには全身麻酔が必要になります。全身麻酔にはリスクがあり、また一度避妊してしまうと二度と子供をつくることが出来なくなります。かかりつけの獣医師や自分以外の家族とよく相談して手術を行うようにしてください。救命のため至急実施する必要がある場合を除き、後悔がないようにしっかりと納得してから手術を行っても遅くはないと思います。

子宮蓄膿症は早期発見・治療が重要な疾患であり、日々の健康チェックを行うことで早期発見できる可能性が高くなります。犬の子宮蓄膿症では多飲・多尿と外陰部の腫大、外陰部から膿の流出などが比較的発見しやすい症状です。

犬の子宮蓄膿症の治療方法について

子宮の外科的な摘出を行います。

外科手術による子宮の摘出が最も救命率が高い治療法です。子宮の摘出後は引き続き抗生物質などの投与、腎不全などの併発している疾患の治療を行います。出産の予定がない犬では子宮摘出を行うことがベストですが、出産のために子宮を温存する術式もあります。この方法では子宮の一部を切開し、貯留した膿液を排出した後、カテーテルを設置し子宮内に直接抗生物質を投与し続ける方法です。

犬の子宮蓄膿症に対する内科的治療法も存在しますが、治療への無反応や治療後の再発の可能性があるため、繁殖目的で行う以外にはあまり推奨できません。

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