ウィズぺティ
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 犬の病気辞典 > 犬の腸閉塞
Youtube 病気辞典
Youtube 病気辞典

監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の腸閉塞とは

何らかの原因によって腸が閉塞を起こしている状態です。

腸閉塞とは、異物などが原因となり腸がふさがっている状態のことです。食べたものを嘔吐する、便が出ない、などの症状が見られます。場合によっては、異物が腸を突き破り腹膜炎や敗血症を引き起こし、短期間で死に至ることもあります。

犬の腸閉塞の症状とは

嘔吐、腹部の痛みなどが見られます。

完全に腸が閉塞されているか否か、閉塞の起こっている部位によって、症状の現れ方や程度に違いがあります。
一般的な腸閉塞の臨床症状としましては、嘔吐、沈鬱、食欲不振、腹部の痛みなどが挙げられます。
腸の血管が損傷を受けていない腸閉塞を単純性腸閉塞、血管の損傷を伴う腸閉塞を絞扼性腸閉塞と呼びます。絞扼性腸閉塞の場合、腸管に浮腫と充血が起こり、激しい腹痛やショック症状など、より深刻な症状を示します。

犬の腸閉塞の原因とは

腸管内異物

胃内に停滞した異物は、胃からの排泄障害や胃炎などを引き起こしますが、胃内異物が幽門を通過し、胃から排泄された後、小腸領域で限局的に閉塞を起こしてしまうことがあります。タオルや衣類の誤飲によって、ひも状異物となり小腸の長い距離にわたってひっかかった状態になっていることもあります。腸管内異物における臨床症状は、胃内異物よりも比較的重度の臨床症状を示すことが多いとされています。大腸は小腸よりも管腔が広いため、通常小腸を通過できた異物は大腸も通過可能であることから、大腸内に異物による閉塞を引き起こすことはほとんどありません。

腸重積

腸重積はある腸管が隣接する腸管の内腔にはまり込む状態です。腸重積はどの腸管においても発生しますが、犬では空腸ー空腸、回腸ー結腸重積が多いとされています。
腸重積では、腸閉塞が存在し腸間膜も同時に嵌入するために血管系が圧迫されることが問題となります。最初は部分的な閉塞が起こり、進行すると完全に閉塞します。完全閉塞になると、吻側の腸管において吸収不全と分泌亢進が起こるために内圧は上昇します。さらに時間が経過するとバクテリアルトランスロケーションや毒血症のために敗血症性ショックとなります。同時に体液の喪失による循環血液量減少性ショックに陥り死亡します。

臍ヘルニア、鼠経ヘルニア

臍ヘルニアは、臍の尾が通る穴(臍輪)を通して脂肪や腸管が皮膚の下に脱出している状態です。臍ヘルニアが小さく、脱出しているのが脂肪のみの状態であれば、大きな問題はありませんが、腸管などの臓器が臍輪で絞められてしまう状態(嵌頓)になってしまうと腸閉塞を引き起こす可能性があります。

鼠経ヘルニアは、鼠経輪から脂肪や腸管が脱出している状態です。先天的な鼠経ヘルニアは生後数か月の仔犬で確認できます。後天的な鼠径ヘルニアの場合、交通事故などの大きな衝撃、出産時における過度な腹圧、などが原因となります。また、肥満によって腹圧がかかり鼠径ヘルニアが発症することもあります。

犬の腸閉塞の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

腸閉塞の原因となる腸管内異物は、どの犬種でも起こり得ます。若い好奇心旺盛な犬に多いと言えます。

腸閉塞の原因となる腸重積は、犬で多く猫で少ないとされ、ジャーマンシェパードで多いと言われています。

犬の腸閉塞の予防方法について

原因疾患の早期発見・早期治療、誤飲の対策をおこないます。

腸閉塞の原因となる疾患の早期発見、早期治療をおこなうことが、腸閉塞の予防につながると言えます。

異物の誤飲は、飼い主の管理不足によって起こるため、誤飲が起こらない環境整備をすることで予防できます。

犬の腸閉塞の治療方法について

腸管内異物

腸管内異物は外科的に腸切開をおこない除去します。小腸が異物によって虚血性壊死を起こしていたり、腸穿孔がある場合は、障害を受けた部分の小腸を切除し、端々吻合をおこないます。

ひも状異物の場合、ひもの長さにもよりますが1か所の腸管切開部から異物を無理に引き抜くと腸管穿孔を引き起こす恐れがあるため、複数個所の腸管を切開し、ひも状の異物を分割しながら摘出する必要があります。

腸重積

腸重積は自然に治癒したり、経皮的に用手整復できることがありますが、大部分の腸重積に対しては外科的整復が必要となります。腸管穿孔、腸管の多数の裂傷、壊死、用手によって整復できない、腫瘍などによる腸重積、などの場合は重積部分の腸管切除および端々吻合が必要となります。

臍ヘルニア、鼠経ヘルニア

ヘルニアが腸管などの臓器が脱出してしまう大きさである場合は、外科的な縫合で鼠経輪を閉じることで治療を行います。ヘルニアが嵌頓してしまった場合、緊急の開腹手術を行います。ヘルニア内容を腹腔内に戻し、必要であれば壊死した部分を除去します。

ナンバーサプリのウィズメディカ
ページ先頭へ SSL グローバルサインのサイトシール