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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬ジステンパーウイルス感染症とは

死の危険性があるウイルス感染症です。

犬ジステンバーウイルスの感染による致死性の感染症です。子犬、成犬で症状の経過こそ違いますが、神経症状を含む全身症状を引き起こし死に至らしめます。

犬においてコアワクチンの対象とされている疾患であり、混合ワクチンの定期的な接種で予防することができます。

犬ジステンバーウイルスは狂犬病ウイルスのように人には感染しませんが、犬をはじめとした食肉目の多くに強い伝染力をもって感染します。人間と犬をはじめとする伴侶動物が共存するこの社会において、重大な影響を持つ感染症であり、定期的なワクチネーションで防除しなければなりません。

犬ジステンパーウイルス感染症の症状とは

あらゆる種類の症状が同時多発的にみられます。

発熱、元気消失、食欲消失、嘔吐、下痢などの非特異的な症状から、膿の混じる鼻汁、目ヤニ、腹部膿瘍などの細菌の二次感染による症状、咳、呼吸困難などの呼吸器症状、立ち上がれなくなる、まっすぐ歩けないなどの歩行困難、知覚過敏や性格の変化などの異常行動、発作や痙攣、失明などと、脳と脊髄を障害されたことによる多種多様な神経症状まで、あらゆる種類の症状が同時多発的に引き起こされます。

犬ジステンバーウイルスは2鋒性の発熱という特徴的な症状を引き起こします。ウイルスが感染すると1週間前後で最初の発熱が引き起こされます。この発熱は症状が乏しく、犬の変化に気が付かない場合も多いと言われています。犬の免疫応答によりウイルスが効果的に排除された場合、感染後2週間程度でウイルスは排除されます。

1度目の発熱でウイルスが排除されなかった場合、犬ジステンバーウイルスは免疫機構を破壊しながら増殖し、2度目の発熱と共に同時多発的で劇的な症状を引き起こします。

ワクチン接種が正しく行われており、犬ジステンバーウイルスに対する免疫が十分であれば、ジステンバーウイルスの劇症化を防ぐことができます。

犬ジステンパーウイルス感染症の原因とは

犬ジステンバーウイルスが原因です。

犬ジステンバーウイルスの感染が原因になる感染症です。感染動物の排せつ物に混じり排出された犬ジステンバーウイルスは、粉塵や飛沫を介して他の宿主に経口的に感染します。

扁桃やリンパ節で増殖したウイルスは、免疫細胞を攻撃しながら全身のリンパ組織に感染を拡大します。このことによって感染動物の免疫機構は破壊され、容易に細菌などの二次感染が発生するようになります。

最終的に犬ジステンバーウイルスは中枢神経系(脳、脊髄)を含む全身の臓器に感染し、犬を死に至らしめます。

犬ジステンパーウイルス感染症の好発品種について

全犬種で好発します。

ウイルスを原因とした感染症であり、全ての犬種で発生する可能性があります。

犬ジステンパーウイルス感染症の予防方法について

ワクチンの正しい接種により予防します。

犬におけるコアワクチンの対象の感染症(犬ジステンバー感染症、犬パルボウイルス感染症、犬アデノウイルスⅠ型感染症)であり、一般的に混合ワクチンと呼ばれる種類のワクチン(3種、5種、7種混合ワクチン等)を接種し、免疫を付けることで予防できます。

犬ジステンバーウイルス感染症は劇的な症状を引き起こすだけではなく、飛沫や粉塵などの環境中に存在する粒子を介した高い感染力を持つ病源体です。また一度症状を引き起こした犬が運良く生き延びたとしても、重篤な後遺症を残します。

人間の伴侶たる犬を守るのは、我々人間です。ワクチン接種を確実に行い、その笑顔を守りましょう。

犬ジステンパーウイルス感染症の治療方法について

主に対症療法を行います。

感染してしまった犬ジステンバーウイルスに対する特効薬はありません。対症療法といってウイルスの感染が収まるまで、引き起こされた症状をできるだけ小さくする治療方法しか選択することができません。

中枢神経へのウイルスの高度な感染により脳や脊髄の障害が重度であり、呼吸困難や重篤な神経症状を呈する場合、飼い主と獣医師の相談の上、安楽死を選択することも視野に入れなければなりません。

犬ジステンバーウイルス感染症防除の要は、ウイルス感染を治療することではなく、ウイルス感染を予防することなのです。

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