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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の炎症性大腸ポリープとは

大腸にみられる炎症性のポリープです。

犬ではしばしば中高齢において直腸ポリープが発生しますが、その大半が腫瘍性病変になります。これに対して、国内のミニチュアダックスフンドでは、結直腸移行部領域を中心に炎症性大腸ポリープが好発します。

犬の炎症性大腸ポリープの症状とは

便に関連した症状がみられます。

炎症性大腸ポリープの臨床症状としましては、鮮血や粘液の付着した便の排出が認められます。しぶりや、便が細くなることもあり、まれに直腸脱が認められることもあります。食欲低下、嘔吐、体重減少など、全身的な臨床症状が認められることは少ないとされています。
ポリープは多発性の小ポリープを形成することが一般的ですが、その一部が大型化することがあります。ポリープが結直腸移行部領域に限局することが多く、また腹側面において発生、憎悪する傾向にあります。

血液検査、X線検査、超音波検査はいずれも炎症性大腸ポリープの検出には不向きであるとされ、その他の疾患の除外や、腫瘍性ポリープを考慮した転移・浸潤の確認の意味合いが大きいと言えます。CRPの上昇が認められることが多いですが、5mg/dL以下の範囲に留まることが多いとされています。炎症性大腸ポリープが疑わしい場合は、直腸検査をおこないます。ただし、時折指の届かない範囲に発生することある点に注意が必要です。そのため、ポリープ病変の有無を確認するためには直腸内視鏡検査をおこなうことが確実とされています。

犬の炎症性大腸ポリープの原因とは

遺伝的な背景が疑われています。

炎症性大腸ポリープは、病理学的にポリープ内への好中球やマクロファージの浸潤が特徴的であり、免疫抑制制療法に反応性を示すことから、自然免疫系の異常を中心とした免疫介在性の病態があるものと考えられています。また、その犬種特異性の高さから遺伝的な背景が疑われています。

犬の炎症性大腸ポリープの好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

炎症性大腸ポリープの発生は、中高齢で多いとされていますが、4~5歳程度で発症する場合もあります。明らかな性差は無いとされています。ミニチュアダックスフンドが好発犬種とされていますが、ミニチュアダックスフンドと他犬種とのミックス犬でも発生することがあります。

犬の炎症性大腸ポリープの予防方法について

早期発見、早期治療をおこないます。

炎症性大腸ポリープは、予防することが難しい疾患であるため、早期発見、早期治療が重要になります。

犬の炎症性大腸ポリープの治療方法について

内科療法

根本治療としましては、内科的な免疫抑制療法が基本となります。プレドニゾロン単独またはシクロスポリンの併用による免疫抑制療法により80%の症例が反応すると報告されています。反応した場合には、プレドニゾロンを2~4週間ごとに漸減し、最終的にはシクロスポリン単独または低用量のプレドニゾロンの併用で再発を防ぐことが目標となります。完全な休薬に至る場合もありますが、比較的少なく、多くの症例は漸減または休薬に伴う再発により一定用量の免疫抑制療法の継続を必要とすることが多いとされています。

その他に、NSAIDsが奏効することもあります。この場合、フィロコキシブ、ピロキシカム、メサラジンが用いられることがあります。

内視鏡下処置

有茎性のポリープであれば、内視鏡下のポリペクトミーが有効とされています。ポリペクトミーとは、内視鏡下高周波治療の1つであり、スネアをポリープ基部にかけて通電することで切除する方法です。ポリープは脆いため、必ずしも通電する必要はありません。

予後

初期治療に良好に反応した症例では、比較的良好な予後が期待できます。一部の症例では数か月~数年後に腫瘍化することがあるため、難治性または再発性の症例では注意して治療にあたるべきです。腫瘍化した場合にも、病変が粘膜内に限局していれば外科手術により良好な予後が期待できますが、筋層への浸潤や遠隔転移などが認められる場合には注意が必要です。

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