猫の消化管好酸球性硬化性線維増殖症(GESF)とは
腸に腫瘤ができる炎症性疾患です。
消化管好酸球性硬化性線維増殖症とは、猫の腸に免疫細胞の一種である好酸球がしこり(肉芽腫)を作る病気です。
胃の出口付近や小腸と大腸の境界に当たる回盲部に腫瘤を作ることが多く、腸管が腫瘤によって狭窄するために消化器症状が見られます。
消化管にできる腫瘍などと類似していますが、その実態は炎症性疾患であるため、治療は炎症を抑えるステロイド剤や抗生剤で治療しますが、治療経過が思わしくない場合は病変部を切除しなければならない場合もあります。
猫の消化管好酸球性硬化性線維増殖症(GESF)の症状とは
消化器症状がみられます。
消化管好酸球性硬化性線維増殖症では、腫瘤による消化管の狭窄によって主に消化器症状が見られます。
よくみられる症状は以下の通りです。
・元気がない
・食欲低下
・吐き気、嘔吐
・下痢
・体重減少
・脱水症状
腫瘤は大きくなると潰瘍化したり穿孔することもあり、また大きくなった腫瘤が近くの臓器(肝臓や膵臓)と癒着を起こしたり腸管が完全閉塞することもあります。
診断・治療が遅れると死に至る危険もあります。
猫の消化管好酸球性硬化性線維増殖症(GESF)の原因とは
細菌感染などが関与していると考えられます。
この病気の詳しい原因はまだはっきりとはわかっていません。
病変部の細胞内に細菌感染が見られることが多いことから、細菌感染が関与している可能性が示唆されています。
その他には消化管内異物による刺激や、食物過敏症などのアレルギー性の疾患が関与している可能性があると考えられています。
猫の消化管好酸球性硬化性線維増殖症(GESF)の好発品種について
好発する品種はありません。
特に報告されていません。
猫の消化管好酸球性硬化性線維増殖症(GESF)の予防方法について
予防方法はありません。
この病気は詳しい病態がまだよくわかっておらず、予防する効果的な方法はありません。
猫の消化管好酸球性硬化性線維増殖症(GESF)の治療方法について
ステロイドによる消炎治療を行います。
消化管好酸球性硬化性線維増殖症の治療には現在のところステロイド剤の投与が有効であると考えられています。
また細菌感染の関与も示唆されているため、抗生物質も同時に投与されることが多くなります。
投薬によって症状が改善する場合は良好に経過する可能性が高いですが、進行した症例の中には投薬治療だけでは消化器症状が消失しない場合もあります。
必要に応じて外科手術で切除します。
病変部が完全閉塞を起こしている場合や、穿孔している場合などでは、病変部の切除が必要になります。
しかしこの病変は他の臓器を巻き込んだり癒着を起こしている場合があるため切除不可能なことも多く、治療が遅れると予後は非常に悪くなります。