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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の胃の腫瘍とは

リンパ腫、腺癌、平滑筋肉腫などが見られます。

犬の胃における腫瘍の発生は多くはありませんが、リンパ腫、腺癌、平滑筋肉腫が代表的なものとして挙げられます。

犬の胃の腫瘍の症状とは

様々な消化器症状が見られます。

非特定的な症状としましては、体重減少、食欲不振、嘔吐、下痢などが見られます。粘膜面への浸潤、潰瘍化により消化管出血が見られる場合には、貧血、吐血などにつながります。消化管腫瘍は腹部痛や敗血症性腹膜炎、気腹の原因となり得る場合もあります。
犬の胃腸管リンパ腫は、その細胞のサイズによって小細胞性リンパ腫と大細胞性リンパ腫に分類されます。大細胞性リンパ腫では、急性経過をたどることがあります。
平滑筋腫瘍はインスリン様成長因子の産生による低血糖を起こすことがあります。

犬の胃の腫瘍の原因とは

リンパ腫

胃腸管リンパ腫は犬のリンパ腫の5~7%を占めるとされており、消化管腫瘍の中では最も発生頻度の高い腫瘍の1つと言えます。犬の胃腸管リンパ腫は、その細胞のサイズによって小細胞性リンパ腫と大細胞性リンパ腫に分類されますが、両者ともに多くは小腸に発生しT細胞性であるとされています。ただし、結直腸領域に発生する大細胞性リンパ腫は、90%以上がB細胞性であるとされています。
血液化学検査では、低アルブミン血症を認めることが多いですが、異常を認めない場合でも胃腸管リンパ腫は否定できません。CRPの上昇を認めることもありますが、軽度の上昇にとどまっていることが多く、胃腸管リンパ腫で重度のCRP上昇を認める場合には、消化管穿孔を合併している可能性があるため注意が必要です。

腺癌

犬の消化管に発生する腫瘍はリンパ腫が最も多く、2番目に発生の多いものが腺癌となりますが、胃に発生する腫瘍としましては腺癌が多いとされています。胃腺癌は、転移や再発が多いとされています。
血液検査では、腫瘍による二次性の変化(脱水や貧血など)がしばしば認められますが、とくに貧血や低アルブミン血症が認められる場合は注意が必要です。

平滑筋肉腫

平滑筋より発生する平滑筋肉腫の多くは限局性で境界明瞭な腫瘤を形成し、表面は滑らかな形状を呈することが多いですが、胃では潰瘍を伴うことがありしばしば噴門や幽門に見つかります。
大弯側に腫瘍がせり出している場合は硬結した胃壁を触知できることがあります。血液検査においては、貧血、脱水、白血球増多症、血小板減少症、低アルブミン血症、肝酵素値の上昇などが見られます。

犬の胃の腫瘍の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

リンパ腫は、アメリカンコッカースパニエル、イングリッシュコッカースパニエル、エアデールテリア、ゴールデンレトリバー、セントバーナード、ブルドッグ、ボクサー、ロットワイラーなどに多いとされています。

腺癌は雄でやや発生が多く、ジャーマンシェパード、コリーで発生リスクが高いとされています。

平滑筋肉腫は一般に高齢(平均11~12歳)で発症し、雄で発生が多いとする報告もありますが、性差や好発品種は明らかではありません。

犬の胃の腫瘍の予防方法について

早期発見、早期治療をおこないます。

腫瘍性疾患であり、予防方法はないため、早期発見、早期治療が重要となります。

犬の胃の腫瘍の治療方法について

リンパ腫

リンパ腫の治療は、抗がん剤治療がおこなわれることが多いとされています。大細胞性胃腸管リンパ腫の場合は、多剤併用化学療法が適しているとされています。小細胞性胃腸管リンパ腫の場合は、プレドニゾロンとアルキル化薬を併用することが多いです。

腺癌

腺癌の治療の第1選択は外科的切除であるとされています。可能な限り広いサージカルマージンを確保することが望ましいとされています。転移や脈管浸潤を伴う症例では、術後に化学療法が考慮される場合もあります。

平滑筋肉腫

平滑筋肉腫は、切除可能であれば外科的切除が第1選択となります。胃部分切除術、胃十二指腸吻合術、胃空腸吻合術などが適応となります。可能であれば2cm以上の十分なサージカルマージンを確保した腫瘍の切除と切除後の胃壁の縫合による再建をおこないます。

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