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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の膣炎とは

膣の炎症のことを言います。

膣炎は、膣の炎症のことを言います。メス犬は、避妊手術の有無にかかわらず、膣炎を発症する可能性があります。

犬の膣炎の症状とは

外陰部から排出物が認められます。

外陰部から粘液性、漿液性、血様または化膿性の排出物が認められます。超音波検査で子宮に膿液が貯留していないときは膣炎として診断されます。
軽度の膣炎の場合は無症状のことも多く、また小型犬である場合は、自分で舐めてしまうため気が付かないこともあるので診断には注意が必要とされています。
膣炎は全身徴候を示さず、局所的に起こるため、しきりに陰部を舐めることで気付かれることが多いです。膣炎は一般に再発が起こりやすい疾患とされており、慢性化しやすいです。慢性化した場合、その症例が黄体期になったとき子宮蓄膿症に移行する可能性もあるため注意が必要です。また、膣炎は不妊症の原因の1つとして考えられているため、繁殖に用いる犬では、交配前に膣炎が起こっていないかを十分に確認する必要があります。
膣炎は、基本的に発情前期~発情期のエストロジェンが分泌されている時期には起こりません。これは、エストロジェンが膣上皮細胞に働き、膣上皮を角化上皮細胞に変化させ剥離させること、そしてエストロジェンが免疫機能を活性化するためであると考えられています。

犬の膣炎の原因とは

細菌性膣炎

膣炎の原因として細菌、ウイルス、腫瘍、膣の先天的異常(狭窄、膣弁遺残および発育不全など)、外傷、異物などが挙げられますが、もっとも多く発生するのは、細菌性膣炎です。
膣内には大腸菌、レンサ球菌、ブドウ球菌をはじめとする正常細菌叢が存在します。そのため、細菌性膣炎において原因菌を特定することは難しいですが、有意に増加している細菌が原因であると考えられています。
性成熟前に不妊手術をおこなうと、外陰部が発達せず未熟な状態のままとなり陥没したような形状であると、外陰部の周りの毛などを巻き込み細菌性膣炎を起こしやすくなることがあります。
ウイルス性膣炎では、犬ヘルペスウイルスによるものが知られており、これは交尾によって伝播することが多いとされています。

若年性膣炎

生後4か月頃~性成熟前にかけて、外陰部から膿様物が排出されることがあり、これは若年性膣炎と呼ばれています。
膣からの排膿以外の臨床徴候には全く影響が見られず、初回発情がきた後は治癒してしまうのが特徴です。その発症および治癒機序は明らかにされていませんが、おそらく発情中に分泌されるエストロジェンが治癒に深く関与していると考えられています。

犬の膣炎の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなどの膣が深い大型犬が好発犬種とされています。

犬の膣炎の予防方法について

早期発見、早期治療をおこないます。

早期発見、早期治療をおこないます。
外陰部が陥没したような犬では、不妊手術後に肥満が起こることでさらに陥没して細菌性膣炎を起こしやすくしてしまうことがあるため、肥満が起こりやすい犬種ではとくに注意が必要です。

犬の膣炎の治療方法について

細菌性膣炎

軽度な細菌性膣炎が見られた場合は、まずは洗浄液による局所の膣洗浄が有効とされています。洗浄液としましては、クロルヘキシジン、ポピドンヨード、抗菌薬を添加した生理食塩液が推奨されています。重度な膣炎の場合は、抗菌薬の全身的投与をおこないます。
不妊手術をおこなっている犬で難治性または繰り返す頻度が高い膣炎の場合には、経口エストロジェン製剤の投与が効果を示すことがあります。エストロジェンを投与することで膣内の環境が発情期の状態に変化し、免疫機能が増強されることで膣炎が治癒することがあります。

若年性膣炎

若年性膣炎であると診断された場合は、その犬の初回発情後に自然に治癒してしまうことがあるため、多くの場合は積極的な治療は必要ないとされています。何も処置をおこなわないことで問題が起こる場合は、膣洗浄や全身的な抗菌薬の投与をおこなうこともあります。
若年性膣炎を起こしている犬において初回発情前に不妊手術をおこなうことで膣炎が治癒しないことがあります。このような症例の場合は、経口エストロジェン製剤を投与し、一時的に膣内を発情期の状態にすることで治癒することがあります。

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