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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬のパスツレラ感染症とは

犬の口腔内に常在する菌で、人獣共通感染症を引き起こします。

パスツレラとは細菌であり、多くの犬が口腔内に不顕性の状態で保菌しています。口腔や体表に傷を受けたときや、体力や免疫力が低下したときに日和見的に発症するとされています。
パスツレラが人間に感染する場合は、食べ物の口移しや、咬まれたり引っ掻かれたりした傷口から感染するとされています。

犬のパスツレラ感染症の症状とは

皮膚症状や呼吸器症状が見られる場合があります。

パスツレラが原因となる皮膚症状に、皮下膿瘍があります。犬の皮下膿瘍は、咬傷などの外傷によって発症します。パスツレラによる皮下膿瘍は、尾根部や肩部、頚部、腰部、脚部に発生を多く認められます。局所リンパ節の腫大を伴うことが多いです。

犬の細菌性肺炎の原因菌としてパスツレラが認められることがあります。細菌性肺炎とは、細菌による肺炎であり、発熱、咳、呼吸数の増加、削痩などの症状が見られることがあります。

その他の症状としましては、膿性鼻汁、膿性眼脂などが見られます。重症の場合は、子宮膿腫、髄膜脳脊髄炎、敗血症を起こすこともあります。

人間の症状

人間がパスツレラに感染した場合の症状としましては、発赤や膿瘍などの皮膚症状、気管支炎や肺炎などの呼吸器症状、重症化した場合は敗血症を引き起こすことがあるとされています。

犬のパスツレラ感染症の原因とは

パスツレラ菌(Pasteurella multocida)が原因となります。

犬の口腔内に常在しているパスツレラ菌(Pasteurella multocida)が原因となります。咬傷などの外傷や、口腔や体表に傷を受けたとき、体力や免疫力が低下したときに日和見的に発症するとされています。

副腎皮質機能亢進症、糖尿病、甲状腺機能低下症などの内科疾患を発症している場合、感染を生じやすいため注意が必要です。類似する症状を示す疾患としましては、異物による膿瘍、他の微生物による感染症、無菌性結節性脂肪織炎、腫瘍などが挙げられます。

犬のパスツレラ感染症の好発品種について

全犬種で好発します。

犬の12~55%が口腔内に常在菌としてパスツレラを保菌しているとされています。どの犬種でも起こり得る疾患です。

犬のパスツレラ感染症の予防方法について

咬傷を防ぐ、基礎疾患を治療します。

咬傷による感染を防ぐため、他の犬とのコミュニケーションをとれるようにしておきましょう。未去勢の雄犬の場合は去勢手術を検討しても良いかもしれません。去勢手術をおこなうことでコントロールしやすくなる可能性があります。

感染を起こしやすくなる副腎皮質機能亢進症、糖尿病、甲状腺機能低下症などの基礎疾患がある場合は治療することでパスツレラ症の予防につながる可能性があります。

人間が犬から感染しないために

犬との食べ物の口移しや食事の際の食器の共有など、過度のスキンシップは避けるようにしましょう。犬を寝室に入れさせないなども対策になるとされています。

犬のパスツレラ感染症の治療方法について

抗菌薬の全身投与をおこないます。

パスツレラ症の治療としましては、抗菌薬の全身投与をおこないます。投与前に細菌培養同定・感受性試験を実施し、感受性のある抗菌薬の全身投与が好ましいとされていますが、通常はアモキシシリンやアモキシシリン・クラブラン酸に感受性である場合が多いとされています。

咬傷による感染の場合は、患部の外科的切開と排膿し、壊死組織を除去し洗浄処置をおこないます。通常、患部は開放創にして治療した後、皮膚の欠損範囲が広い場合は感染が治癒した後に縫合します。縫合のみでは傷口の閉鎖が困難な場合は、ドレッシング材を用いた創傷治療や形成外科による皮膚の再建術が必要となる場合があります。

発熱や疼痛を伴う場合は食欲が落ちることがるため、栄養支持が重要とされています。食欲を刺激するためにウェットフードを用いる、食事を温めて与える、などしてみても良いかもしれません。

 

 

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