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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬のフォンビレブランド病とは

遺伝性の出血性疾患です。

フォンビレブランド因子は血管内皮または巨核球により産生される止血因子であり、一次止血においては障害血管内皮皮下組織への血小板付着時の接着因子として、二次止血においては第Ⅷ因子のキャリア蛋白として機能します。
フォンビレブランド病は、フォンビレブランド因子の異常による常染色体遺伝性出血性疾患であり、犬において止血異常を呈する遺伝性疾患としては最も多いとされています。

犬のフォンビレブランド病の症状とは

止血異常がみられます。

フォンビレブランド病は、タイプ1(量的減少)、タイプ2(質的異常)、タイプ3(完全欠損)に分類され、タイプ1が最も多いとされています。タイプ2やタイプ3では重度の出血症状を示すことがありますが、タイプ1は皮膚粘膜の出血症状を主徴とする軽症で、、日常生活では出血症状を認めないことが多いとされています。そのため、処置や手術時にはトラブルになる可能性があることを認識しておく必要があります。

犬のフォンビレブランド病の原因とは

フォンビレブランド因子の異常によって引き起こされます。

フォンビレブランド病は、フォンビレブランド因子の異常による常染色体遺伝性出血性疾患であり、犬において止血異常を呈する遺伝性疾患としては最もみられます。ウェルシュコーギーペンブロークの調査では、フォンビレブランド病遺伝子保有率は30%前後で、罹患犬が5%前後であったという報告があります。

止血凝固スクリーニング検査として血小板数、血液凝固線溶検査(PT、APTT、Fib)、頬粘膜出血時間(BMBT)測定をおこないます。一部のタイプ2とタイプ3フォンビレブランド病ではAPTT延長を認めますが、タイプ1フォンビレブランド病ではBMBTのみ異常を示します。
スクリーニング検査や犬種、症状、性別などからフォンビレブランド病が疑われる場合は、フォンビレブランド病抗原濃度、マルチマー解析、DNA診断などの検査をおこないます。

犬のフォンビレブランド病の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

フォンビレブランド病の好発犬種としましては、ウェルシュコーギーペンブローク、ジャーマンシェパード、ドーベルマン、ミニチュアシュナウザーなどが挙げられます。これまでに70犬種異常で報告があり、国内でも雑種を含む多様な品種で確認されています。

犬のフォンビレブランド病の予防方法について

発症の予防方法はありません。

フォンビレブランド病の発症の予防方法はありません。しかし、罹患動物の繁殖を制限することでフォンビレブランド病罹患犬の増加をコントロールすることができます。犬の遺伝性疾患は罹患犬の同系交配を避けることで罹患する犬の増加を抑制することが可能となり、継続して遺伝性疾患の繁殖制限をすることが全ての遺伝性疾患の根本治療につながると言えます。

犬のフォンビレブランド病の治療方法について

出血に対しては対症療法をおこないます。

フォンビレブランド病の治療としましては、出血症状に対しては対症療法、手術侵襲などで出血が予想される場合は予防的に対応します。

タイプ1フォンビレブランド病と診断、または疑われる犬に、持続性または貧血をともなう出血がある場合、小手術までであればデスモプレシン酢酸塩水和物を投与します。スモプレシン酢酸塩水和物はアルギニンバソプレシンの合成誘導体であり、血管内皮細胞に結合し、シグナル伝達活性化により細胞内にあるフォンビレブランド因子の細胞外分泌を誘導して血中フォンビレブランド因子濃度と第Ⅷ因子濃度を上昇させることが示されています。その他にアスピリンによる血小板機能障害の改善など、他の機序による止血作用も推測されています。
効果が不充分な場合は、新鮮全血輸血または新鮮血漿を併用します。タイプ2、3フォンビレブランド病と確認されている場合は、デスモプレシン酢酸塩水和物は無効であるため使用しません。

NSAIDsなどの血小板機能抑制作用のある薬剤の使用には注意します。

予後

タイプ1フォンビレブランド病では日常生活に問題無く、手術や外傷で大出血さえしなければ予後は良好であると言えます。タイプ2やタイプ3フォンビレブランド病で重度の出血傾向を示す場合は、若齢で死亡することもあります。

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