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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の子宮蓄膿症とは

子宮に大量の膿が溜まる病気です。

子宮蓄膿症は、未避妊のメスに起こり、子宮に細菌感染が起こることによって子宮内に多量の膿が溜まってしまう病気です。
初期には陰部からの排膿、食欲不振などの症状を示しますが、徐々に吐き気や脱水を招き、発見が遅れると敗血症から命を落とす可能性もある病気です。

膿が外陰部から漏れでる開放性の場合は発見しやすいですが、膿が漏れでてこない閉鎖性の場合は重症になるまで気づかれないことも多くあります。

少しでも異変を感じたらできるだけ早く病院を受診し、早期に治療してあげることが重要です。

猫の子宮蓄膿症の症状とは

陰部からの排膿や食欲不振が見られます。

子宮蓄膿症になると、以下のような症状を示します。
・食欲不振
・吐き気、嘔吐
・水をたくさん飲む
・おしっこをたくさんする
・外陰部から膿が出る、外陰部をしきりに舐める
・下痢
・脱水
・お腹が膨れる
・発熱
・ぐったりしている

子宮蓄膿症には、子宮にたまった膿が外陰部から外に漏れ出てくる開放性のものと、膿が全く出てこない閉鎖性のものがあります。

いずれの場合も、子宮に感染・増殖した菌によって敗血症を起こし、重症化すると死亡することもあります。
少しでも異変を感じたら、できだけ早く病院を受診し、早期発見を心がけましょう。

開放性の子宮蓄膿症では大量のオリモノが見られます。

開放性の子宮蓄膿症は、臭いにおいのオリモノが少しずつあるいは大量に出るために、外陰部が常に汚れ、猫自身も気にしてしきりに舐めるようになります。
膿は黄茶褐色から時には赤く血様のこともあります。

猫には本来、犬の生理のような発情出血はありませんので、外陰部から出血やオリモノが見られたら異常ととらえ、すぐに病院へ行きましょう。

閉鎖性の子宮蓄膿症は発見が遅れがちです。

閉鎖性の子宮蓄膿症では、顕著な症状が出るまでなかなか異変に気付かれず、発見が遅れるために重症化することが多くなります。
膿が体外に出ずに貯留することで次第にお腹が大きく膨れ、敗血症から腎不全など多臓器不全に発展してしまうこともあります。

猫の子宮蓄膿症の原因とは

発情期の前後に子宮の細菌感染が起こって発症します。

子宮に細菌感染が起こることによって発生します。

猫は年に数回発情期がありますが、発情期を迎えると、黄体ホルモンが分泌され、子宮は妊娠しやすいように内膜を肥厚させます。
発情期中のメス猫では、オスの精子を受け入れやすくするために子宮頚管が緩んでいるため、通常起こらない子宮への細菌の侵入が起こりやすくなります。
肥厚した子宮内膜に細菌が感染することで子宮内膜炎が起こり、さらに、発情期中はホルモンの影響により免疫が低下していることも感染を助長することとなり、膿が大量に溜まって子宮蓄膿症になってしまうのです。

猫の子宮蓄膿症の好発品種について

好発する品種はありません。

未避妊のメスであればどんな猫でも起こる可能性があります。
若い猫から中高齢の猫まで、どんな年齢でも発症します。

猫の子宮蓄膿症の予防方法について

避妊手術が最良の予防方法です。

病気になる前に避妊手術(子宮卵巣摘出術)をすることが予防になります。

避妊手術をすると、子宮蓄膿症だけでなく、子宮や卵巣の腫瘍の予防や、乳腺腫瘍の発生率を下げることにもつながります。
また、発情期のストレスからも解放されます。

子供を産ませたいという希望があれば別ですが、できるだけ若いうちに避妊手術をしてあげることが様々な病気の予防になります。

猫の子宮蓄膿症の治療方法について

できるだけ早く手術を行います。

子宮蓄膿症になってしまった場合、治療は一刻を争います。

点滴をして状態が安定したら、できるだけ早く膿の溜まった子宮を取ってあげることが重要です。(子宮卵巣摘出術)
全身状態は時間とともに次第に悪化し、手術をしたのに助からなかった、ということにもなりかねません。
治療が遅れると、中には子宮破裂を起こし、お腹の中に膿が漏れて腹膜炎を起こしてしまうこともあります。

手術で子宮と卵巣を摘出した後は、お腹の中をきれいに洗浄し、膿が漏れてしまった場合にはできるだけ漏れた膿を取り除かなくてはなりません。

術後もしばらく入院、集中管理が必要です。

手術と同時に大切なのは、術前・術後の管理です。
食欲が安定するまでは点滴で十分に水分補給し、体の調子を整えてあげます。
また、抗生物質をしっかり投与し、感染を抑え込む必要があります。
基本的には手術後は数日入院して、体調がしっかり回復してから退院です。

重度の敗血症などを起こしてしまった場合には、入院が長引くこともありますが、焦らず、病院でしっかり集中治療してもらいましょう。

手術以外の治療法もあります。

開放性の子宮蓄膿症の場合、子宮頚管を緩めるお薬と抗生物質を投与して、手術せずに膿を排出させる治療もありますが、あまりお勧めできません。

一度感染・炎症を起こした子宮が残るため、再び子宮蓄膿症を起こす場合も多く、結局最終的には手術せざるを得ない状況になることが多くあります。

非常に高齢で、麻酔や手術に耐えられないという事情がある場合や、出産を希望するのであれば仕方ありませんが、将来的な病気のリスクなどを考えると、子宮卵巣を摘出する手術をしてあげる方が猫自身の体の負担も少なくて済みます。

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