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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の耳血腫とは

耳の皮膚に血の溜まった膨らみができます。

耳血腫は耳の皮膚と軟骨の間に血液が溜まり、プヨプヨとした膨らみができてしまう状態です。

耳を激しく掻いたり振ったりすることによっておこりますが、免疫異常によっても起こるとされています。

治療せずに放置すると次第に血液は吸収されてしぼみますが、耳は変形を起こしてくしゃくしゃになってしまいます。

猫の耳血腫の症状とは

耳が腫れるのが特徴です。

耳介(耳たぶ)の一部または全体がぷくっと膨れたようになり、中にはパンパンに腫れて熱を持った感じになることもあります。

猫自身は耳血腫ができると耳に違和感を感じ、耳を掻いたり振ったりすることが多くなります。
立ち耳の猫の場合、溜まった血液の重みで耳が垂れ下がることもあります。

食欲の低下や全身状態にはあまり変化を起こすことはありませんが、耳を触られるのを嫌がるようになります。

猫の耳血腫の原因とは

多くは外耳炎の合併症として起こります。

最も多いのは、外耳炎など、耳の痒みを伴う病気に合併して起こる場合です。
多くの場合、耳血腫を起こした耳の中は汚れたり赤く炎症を起こしていることが多く、強い痒みから激しく掻いたり、頭を強く振ることで、軟骨と皮膚の接着がはがれ、毛細血管から出血して耳血腫となります。

その他には、頻度はそれほど多くありませんが、打撲やケンカなどの外傷に伴って起こる場合もあります。

また、一部には免疫の異常によって軟骨が変形、壊死して起こるものもあるとされています。

猫の耳血腫の好発品種について

好発する品種はありません。

特にありません。
どんな猫でも起こります。

猫の耳血腫の予防方法について

耳のチェックで耳の健康を維持しましょう。

耳のチェックを定期的に行い、汚れている場合には耳掃除や洗浄を行って、外耳炎にならないようにすることが予防になります。

汚れが強い場合や赤く炎症を起こしている場合には、炎症の原因(マラセチアや耳ダニの感染など)をコントロールすることとともに、消炎剤の投与なども必要なので、まずは病院へ行きましょう。

スコティッシュなど折れ耳の猫では特に耳が汚れやすく、毛が中に落ちこみやすい特徴があります。
耳チェックをスキンシップの一環に取り入れて、積極的に予防しましょう。

猫の耳血腫の治療方法について

外科的に治療します。

耳血腫の治療にはいくつか方法があります。

一つは外科的に切開して耳血腫の中の血液を取り除き、再び血がたまらないように数か所糸で縫合して、はがれてしまった皮膚と軟骨を圧着させる方法です。
麻酔をかけての処置となり、完治するまで耳の包帯交換や消毒が必要ですが、耳はきれいな形に治ることが多い方法です。

針を刺して治療する方法もあります。

もう一つの方法は、針で血腫の中の液体を抜き、炎症を抑えるお薬を入れる方法です。
麻酔をかけなくても外来でできる方法ですが、完治するまでに何回か処置を繰り返す必要があります。
血腫が部分的で小さい場合はきれいに治ることが多いですが、大きな血腫の場合は少し変形が起こってしまう場合もあります。

他には、耳血腫の中の液は抜かずに、インターフェロンというお薬を定期的に注入する方法もあります。
この方法も数回処置を繰り返す必要があります。

これらの治療は痛みを伴うので、嫌がってしまい、治療が難しい猫もいます。

その他の治療には以下の様なものがあります。

これらの方法と合わせて、内科療法も行います。
消炎剤(ステロイドなど)や抗生剤、止血剤の内服や軟骨成分の補給などです。

いずれの場合にも、治療の途中で耳を掻いたり振ったりするのは治療の妨げになるので、耳を掻けないようにエリザベスカラーをして、耳を保護します。

また、痒みの原因となっている外耳炎そのものの治療(耳ダニなどの感染症治療)も並行して行います。

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