監修: 葛野 宗 獣医師
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犬の後頭骨形成不全症（キアリ様奇形）とは
頭蓋骨の奇形が引き起こす脳神経障害です。
後頭骨形成不全症はキアリ様奇形とよばれる疾患であり、頭蓋骨後部の奇形によりに脊髄と脳をつなぐ部位に障害が引き起こされます。
犬の後頭骨形成不全症（キアリ様奇形）の症状とは
首や肩の傷や、歩行困難などの症状がみられます。
キアリ様奇形では脳神経の障害に起因する症状がみられます。首や肩に皮膚炎などの痒みを発生させる疾患がないにもかかわらず、しつように掻くなどの知覚異常、頸部痛により首をすくめるしぐさ、四肢の麻痺や運動失調、筋肉の萎縮などの症状がみられます。
犬の後頭骨形成不全症（キアリ様奇形）の原因とは
頭蓋骨の形状の異常が原因です。
キアリ様奇形では頭蓋骨が正常な形状をしていないため、脳の後部にあり本来頭蓋骨に収納されている小脳や延髄が、頭蓋骨後部の孔であり脊髄と脳をつなぐ大後頭孔から脊髄側に脱出します。
脊髄空洞症を併発することが知られています。
犬の後頭骨形成不全症（キアリ様奇形）の好発品種について
以下の犬種で好発がみられます。
- キャバリアキングチャールズスパニエル
キャバリアキングチャールズスパニエルが代表的な好発犬種であり、その他の小型犬種でもみられる可能性があります。
犬の後頭骨形成不全症（キアリ様奇形）の予防方法について
主に早期発見、早期治療をおこないます。
先天性疾患であるキアリ様奇形では早期発見、早期治療が重要になります。
犬の後頭骨形成不全症（キアリ様奇形）の治療方法について
症状に応じた治療をおこないます。
病態が軽度で症状がみられない場合、経過観察をおこない、症状がみられる場合、脳の腫れを抑える薬剤などを使用した内科的な治療をおこないます。
症状が重い場合には、外科的な治療をおこないます。
