監修: 葛野 宗 獣医師
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犬の三叉神経麻痺とは
三叉神経の障害が引き起こす麻痺です。
三叉神経は顔の筋肉の働きを担う神経です。三叉神経麻痺では三叉神経に障害が引き起こされ、顔面の筋肉の麻痺が引き起こされます。
犬の三叉神経麻痺の症状とは
眼や顎などに関係した筋肉の麻痺が引き起こされます。
三叉神経は顎を動かすための筋肉や眼や瞼を動かす筋肉を支配しています。三叉神経の麻痺により、顎が閉まらなくなる、側頭部の筋肉が萎縮する、嚥下困難などの症状やホルネル症候群などがみられます。
三叉神経麻痺による顎の閉鎖障害は犬が自分で顎を閉めようととしても閉まらないが、人が力をいれれば閉まるという特徴があります。
ホルネル症候群は三叉神経の障害で引き起こされる眼や瞼の障害であり、眼球の陥凹、眼瞼下垂、第三眼瞼突出などの症状が含まれます。
犬の三叉神経麻痺の原因とは
特発性、腫瘍性、炎症性などさまざまな原因がみられます。
三叉神経には神経鞘腫とよばれる神経の腫瘍が好発します。この腫瘍でみられる三叉神経麻痺は慢性経過を辿る進行性の症状をみせます。
特発性といって原因が不明である場合や、炎症により神経が障害された場合にも三叉神経麻痺はみられます。
犬の三叉神経麻痺の好発品種について
全犬種で好発します。
どのような犬でもみられる可能性がある疾患です。
犬の三叉神経麻痺の予防方法について
特発性、腫瘍性、炎症性などさまざまな原因がみられます。
主に早期発見、早期治療をおこないます。
三叉神経麻痺は予防することはできません。早期発見、早期治療が重要です。
犬の三叉神経麻痺の治療方法について
リハビリや強制給仕などをおこないます。
腫瘍性ではない三叉神経麻痺は自然に症状が回復する場合があります。症状を改善するためのリハビリや、顎の運動不全により摂餌がおこなえない場合の強制給仕による補助などをおこなっていきます。