監修: 葛野 宗 獣医師
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犬の進行性脊髄軟化症とは
椎間板ヘルニアに続発する致命的な疾患です。
椎間板ヘルニアとは背骨の間にあるクッション性を担う組織である椎間板が、脊髄を圧迫することによる疾患です。進行性脊髄軟化症は椎間板ヘルニアの発症後、11~17.5%程度の犬でみられる脊髄の軟化および進行性の致命的な麻痺を引き起こす疾患です。
犬の進行性脊髄軟化症の症状とは
麻痺と強い痛みがみられます。
数日の間に進行していく上半身と下半身の麻痺および、強い痛みがみられます。肛門やお腹の筋肉の弛緩や、痛みによる攻撃性の増加などの性格の変化がみられ、最終的に呼吸筋の麻痺により犬は死亡します。
犬の進行性脊髄軟化症の原因とは
脊髄に出血や血栓症がみられます。
椎間板ヘルニアが原因となり脊髄に出血や血栓ができることで、脊髄が軟化し機能を失ってしまう疾患です。なぜ椎間板ヘルニアにより当疾患が引き起こされるかはいまだに明らかにはなっていません。
犬の進行性脊髄軟化症の好発品種について
以下の犬種で好発がみられます。
- ミニチュアダックスフント
ダックスフントなどでよくみられる疾患です。また、フレンチブルドックでは椎間板ヘルニア罹患後の進行性脊髄軟化症の発症率が高いとされる報告もあります。
犬の進行性脊髄軟化症の予防方法について
予防法はありません。
椎間板ヘルニア発症後の進行性脊髄軟化症の予防法はありません。椎間板ヘルニアの好発犬種では背骨や首などに負荷をかけないような飼育をおこなうことで、椎間板ヘルニアの発症を減らすことを介して、当疾患の予防ができる可能性があります。
犬の進行性脊髄軟化症の治療方法について
治療法はありません。
進行性脊髄軟化症は治療をおこなうことはできません。痛みなどの犬のQOLを低下させる症状に対する対症療法をおこなうことがあります。