監修: 葛野 宗 獣医師
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犬の止血凝固異常とは
血液が固まらなくなる病態です。
出血を抑えるための機能である血液の凝固が正常におこなえない状態です。
犬の止血凝固異常の症状とは
出血や皮膚の紫斑がみられます。
鼻血や吐血、外傷による出血が止まらないなどの症状や、皮膚の紫斑などの症状、腹腔内の出血による急死、ショック症状による虚脱、死亡などの症状がみられます。
犬の止血凝固異常の原因とは
さまざまな原因があります。
止血をおこなうためには血液内の細胞である血小板と、血小板の働きをおこなうために不可欠な様々な凝固因子が必要です。
止血凝固異常では血小板もしくは凝固因子に異常がみられます。
血小板に対し自己抗体が形成される自己免疫性の原因や一部の腫瘍による血小板の生成不全、遺伝的な血小板や凝固因子の異常、ショック症状による血液凝固に必要な細胞、因子の不足などが原因になります。
また、殺鼠剤に含まれる成分には血液凝固因子の生成を阻害する作用のあるものがあり、殺鼠剤中毒でも止血凝固異常はみられます。
犬の止血凝固異常の好発品種について
全犬種で好発します。
いくつもの疾患でみられる病態であり、好発犬種の列挙が難しい疾患です。
犬の止血凝固異常の予防方法について
原因に応じた予防をおこないます。
殺鼠剤中毒では誤食の予防、腫瘍性疾患や自己免役性疾患では早期発見、早期治療をおこないます。
犬の止血凝固異常の治療方法について
原因に応じた治療をおこないます。
止血凝固異常では不足している血小板や凝固因子を補充するための輸血をおこなうほか、原因となる疾患に応じた治療をおこなっていきます。