監修: 葛野 宗 獣医師
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犬のニコチン中毒とは
ニコチンによる中毒です。
タバコや電子タバコに含まれるニコチンによる中毒です。ニコチンや犬の体内にある神経などの受容体に直接作用できる薬剤です。犬においては異常な興奮や鎮静を引き起こし大変危険な作用を持ちます。
犬のニコチン中毒の症状とは
興奮や鎮静作用がみられます。
ニコチンの作用による心機能などの身体に致命的な機能の異常な興奮や鎮静が引き起こされます。
嘔吐やだえきの多量の分泌、意識の消失や興奮、痙攣や麻痺などのさまざまな症状がみられます。心停止や呼吸麻痺により死に至る可能性もあります。
犬のニコチン中毒の原因とは
ニコチンの作用によります。
ニコチンは犬の体内にある受容体に結合することで、興奮や鎮静を引き起こします。低濃度の中毒では興奮を、高濃度の中毒では鎮静を引き起こす特性があり、ネスビット・パラドックスとよばれます。
犬のニコチン中毒の好発品種について
全犬種で好発します。
どのような犬でもみられる症状です。
犬のニコチン中毒の予防方法について
誤食の防止を徹底します。
タバコや電子タバコなどは犬が誤食することで大変危険な症状を引き起こします。犬が口にできない場所や頑丈な入れ物に保管するようにしてください。
犬のニコチン中毒の治療方法について
中毒に対する治療をおこないます。
胃の中の異物にたいする催吐処理や多孔質の薬剤による腸管内の異物の吸着、輸液による血液中の薬物濃度の低下、排出などの治療をおこないます。
その他、心機能が低下している場合は心機能を補助する薬剤の投与などをおこないます。