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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の乳腺炎とは

妊娠後期から授乳中に乳腺に感染による炎症が起こります。

猫の乳腺は妊娠~授乳期以外は非常に薄く、炎症などを起こすことはありません。
しかし妊娠期後半から授乳中には、乳腺はホルモンの影響を受け大きく膨らみ、そこに感染が起こると乳腺炎を発症します。

授乳中に乳腺炎が起こると、母猫は授乳を嫌がる様になり、育児放棄や子猫の発育不良につながります。
また、感染を起こした乳腺を適切に治療しないと、乳腺に膿瘍が形成され、母猫の体調も著しく悪化します。

出産後の母猫は体力を消耗し、引き続く育児の疲れから免疫力も落ちやすくなります。
ストレスのかからない程度に育児を見守りつつ、授乳の様子や体調に少し注意して観察し、元気がない、食欲がない、授乳を嫌がるなどという様子が見られたら、乳腺の状態をチェックしてあげるようにしましょう。

猫の乳腺炎の症状とは

乳腺に熱感や疼痛が見られます。

猫の乳腺は左右に4対、合計8個あります。
乳腺炎を起こすと、その部分の乳腺が腫れ、触ると硬く硬結しており、痛みや熱感が見られます。
全身状態にも変化が見られることが多く、以下のような症状が見られます。

・発熱
・食欲低下
・元気がない
・授乳を嫌がる
・育児放棄
・乳腺の腫れ、硬結、熱感
・乳汁が黄色~褐色に変化する、または血や膿が混ざったようになる
・子猫の成長が悪い(体重が減少する)

猫の乳腺炎の原因とは

細菌感染によって起こります。

乳腺炎は乳頭口からの細菌感染や、授乳時に子猫の歯や爪で乳腺が傷つき、そこから細菌が侵入することで起こります。

または全身性の感染症が存在する場合に、血行性に乳腺に菌が到達して起こる場合もありますが、多くは乳腺自体に感染が起こることで生じます。

猫の乳腺炎の好発品種について

好発する品種はありません。

特にありません。

猫の乳腺炎の予防方法について

子猫の爪に注意しましょう。

子猫は授乳の際に母猫の乳房を手で揉みながら飲みます。
この時に爪が伸びていると、子猫の爪は小さく細いため、少し伸びているだけでも非常に刺さりやすく、乳房を傷つけてしまいます。
子猫の爪が伸びているときは切ってあげましょう。

授乳の様子を時々観察しましょう。

乳腺炎を予防することは難しいことが多いですが、悪化する前に治療することが重要です。
時々母猫の乳腺をチェックし、乳頭が汚れている場合にはこまめに拭いてあげましょう。

また授乳の様子を観察し、授乳を嫌がる様子や乳腺が腫れて固くなっている様子などが見られたら早めに病院へ連れていきましょう。

猫の乳腺炎の治療方法について

投薬治療を行います。

軽度の乳腺炎の場合は、抗生物質や消炎鎮痛剤の投与で乳腺の感染・炎症を抑える治療を行います。
抗生物質を選択するためには乳汁の培養検査を行い、検出された菌に対して効果のある抗生物質を投与します。

熱感が強く痛みが強い場合には、乳腺を冷やしてあげることも効果的です。

重度の乳腺炎には外科処置が必要なこともあります。

感染が重度で、乳腺に膿瘍が形成されたり壊疽が起こっている場合には、外科的な処置が必要です。
膿瘍の場合はその部分を切開して排膿する必要があり、壊疽が起こっている場合にはその部分の乳腺を切除する手術が必要です。

新生子は代用乳で育てます。

授乳中に乳腺炎の治療を開始した場合には、投薬や外科処置を行った部分の傷の管理が必要になるため、子猫には授乳させず、代用乳で育てる必要があります。

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