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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の炎症性腸疾患とは

慢性的な消化器症状が持続する腸の炎症性疾患です。

炎症性腸疾患とは消化管粘膜に原因不明の慢性炎症が起こり、嘔吐や下痢などの消化器症状を起こす疾患です。

消化器症状を引き起こす疾患には診断の難しい疾患も多く、同様の症状を示す疾患には寄生虫症や食物反応性腸症、消化器型リンパ腫などが含まれます。

診断するためには基本的な便検査をはじめ、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、食事療法に対する反応性の評価、内視鏡検査による生検などが必要となります。
上記のような検査を経て他の疾患がすべて除外された場合に特発性炎症性腸疾患(IBD)と診断されるため、診断までには時間がかかってしまいます。

治療にはステロイドや免疫抑制剤などが使用され、多くの症例では良好な経過をたどりますが、一部には治療への反応性が悪い場合もあります。

3週間以上消化器症状が続いているような場合は炎症性腸疾患の可能性がありますので、病院でしっかりと検査をしてもらいましょう。

猫の炎症性腸疾患の症状とは

消化器症状が見られます。

炎症性腸疾患の症状は主に消化器症状です。

・吐き気、嘔吐
・軟便~下痢
・血便
・食欲不振
・体重減少
・腹水が溜まる

腸で慢性炎症が起こることにより小腸での栄養吸収がうまくできなくなり、低タンパク血症を起こすことがあります。
タンパクは血管内に水分を保持するために必要な成分なので、低タンパク血症では血管から水分が漏れ出してしまい、腹水が貯留してお腹が膨れたり四肢のむくみが現れることがあります。

猫の炎症性腸疾患の原因とは

原因ははっきりわかっていません。

炎症性腸炎がなぜ起こるのかはまだ解明されていません。
遺伝的な素因、腸内環境の乱れ、免疫の異常、食事内容、ストレスなどが関与している可能性があると考えられており、これらが複合的に関与するのではないかと疑われています。

猫の炎症性腸疾患の好発品種について

以下の猫種で好発がみられます。

シャムや他のアジア系の品種の猫で好発する傾向があります。

猫の炎症性腸疾患の予防方法について

予防することは難しい病気です。

原因がはっきりとわかっていないため、効果的な予防方法は見つかっていません。

猫の炎症性腸疾患の治療方法について

消炎剤などの投薬を行います。

炎症性腸疾患では腸の粘膜で炎症反応が慢性的に起こっているため、それを抑えるためにステロイド剤や免疫抑制剤の投与を行います。

治療の初期にはステロイド剤を使用することが多いですが、高用量のステロイドを長期間投与すると副作用によって他の病気を誘発してしまうことがあるため、投与量を減らすことができない場合やステロイドのみで治療が難しい場合に免疫抑制剤を組み合わせて治療を行います。

また一部の抗菌薬の投与が症状の改善に有効なことがあるため、同時に投与することがあります。

長期にわたる下痢によってビタミンBが不足することも多いため、その場合はビタミンB12製剤を投与して補給します。

腸内環境を整える治療も併せて行います。

炎症性腸疾患では腸にかかる負担を減らすために、食事療法やプレバイオティクスあるいはプロバイオティクスなど腸内環境を整える効果のあるサプリメントを投与することがあります。

食事療法ではアレルギー反応を起こしにくいフード、消化性の良いフード、低脂肪食などが使用されます。

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