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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬のタマネギ中毒とは

タマネギなどのネギ類による中毒です。

犬がタマネギをはじめとしたネギ類(ネギ、ニンニク、ニラ)を食べることによる中毒です。これらの食材に含まれる成分は赤血球を破壊し、貧血を介した様々な症状を引き起こします。生食だけではなく、加熱、乾燥したネギ類でも中毒を引き起こす為、注意が必要になります。

犬のタマネギ中毒の症状とは

主に貧血症状がみられます。

誤食して1日から数日程度の期間を挟んだ後、赤色尿、元気消失、食欲不振、身体の震え、身体が脱力しぐったりと横たわるなどの症状がみられます。中毒による溶血が中度~重度の場合、粘膜が白く変化します。嘔吐、下痢、黄疸(粘膜が黄色に変化する)などの症状が併せてみられる場合もあります。

犬のタマネギ中毒の原因とは

ネギ類に含まれる1もしくは2-プロぺニル-ジスルフィドが原因です。

ネギ類に含まれる1もしくは2-プロぺニル-ジスルフィドと呼ばれる成分が、血液成分である赤血球に含まれるヘモグロビンを酸化・結晶化させ、ハインツ小体と呼ばれる状態に変化させます。
また、最近ではチオ硫酸化合物がハインツ小体の形成を促進するという報告もされています。

ハインツ小体が含まれる赤血球は血管内溶血、血管外溶血の2種類の経路により破壊され、犬は貧血に陥ります。血管内溶血はハインツ小体によって赤血球が壊れてしまう状態です。血液中に放出された血色素(赤い色素)が腎臓から尿として排出されるため、赤色尿の原因になります。

血管外溶血では脾臓や肝臓などの臓器においてハインツ小体を持った赤血球が異物であると認識され、免疫細胞に食べられてしまうことで貧血が起きます。免疫細胞に食べられた血色素は、組成が変化し、黄疸の原因になる黄色の色素に変化します。

犬に貧血を起こすネギ類の成分は熱や乾燥に対して安定しているため、生食だけではなく、加熱、乾燥調理したものでも与えると中毒の原因になります。

犬のタマネギ中毒の好発品種について

全犬種で好発します。

柴犬などの日本犬ではタマネギに対して高感受性であり、中毒を起こしやすいと言われていますが、タマネギを誤食することでどのような犬種でも起り得る疾患です。

犬のタマネギ中毒の予防方法について

犬にネギ類を食べさせない、誤食させないことが予防になります。

タマネギやネギを食べさせないことで予防することができます。人間の食べ物は犬には与えない。食材を犬が出入りできる場所や、手の届く場所に置かない。もしくは犬がいたずらできないような頑丈で、蓋をロックできる入れ物で保管する。以上のような対策を行うことができます。

犬は人間の都合をしつけ、(犬側の)配慮というかたちで理解することができる友であり伴侶です。ですが、私たち人間がふと気が緩んだとき失敗を犯してしまうように、犬もまた本能に抗えないときがあります。犬はもともと食欲旺盛な生き物です。彼らに無理な我慢をさせないために、身体を病気から守ってあげるために、私たちにはできることがあります。

犬のタマネギ中毒の治療方法について

主に対症療法をおこないます。

胃内容物の除去、赤血球の保護・補充、血中や体内の中毒成分の除去などを目的に治療を行います。ネギ類を誤食して数時間以内であれば、催吐剤により胃内容物を吐かせることで中毒を軽減することができます。

赤血球の保護、補充ではビタミンCなどの抗酸化剤、ステロイドなどの免疫抑制剤を使用します。抗酸化剤はネギ類の成分が赤血球を酸化させる働きと拮抗し、また免疫抑制剤では脾臓や肝臓の免疫細胞が赤血球を破壊することを防ぎ、赤血球を保護します。

重度のタマネギ中毒では、輸血を行うことで赤血球を補充します。

血中、体内の中毒成分の除去では、輸液により中毒成分を尿として排出させる。活性炭のような多孔質の治療薬を用いて、消化管内容に含まれる中毒物質を吸着させる方法を用います。

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