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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫のアトピー性皮膚炎とは

ノミ・食事以外の原因で起こるアレルギー性皮膚疾患です。

アトピー性皮膚炎は花粉やハウスダストなど環境中に存在するアレルゲンに対する過敏反応が原因となっておこる、慢性炎症性掻痒性皮膚疾患です。

猫ではヒトや犬で用いられているアトピーの診断基準は当てはまらないことも多く、ヒトや犬のアトピー性皮膚炎と同様なアトピー性皮膚炎があるか十分に検証されていませんが、若年から起こる慢性的な痒みを生じるアレルギー性皮膚炎のうち、ノミや食物が原因ではないものを非ノミ非食物誘発性の過敏性皮膚炎と呼び、これがいわゆる猫のアトピー性皮膚炎にあたります。

痒みは季節性に起こることもあれば年間を通して起こることもあり、猫に起こる皮膚炎でみられる様々な症状が多様にみられるため、他の疾患をすべて除外することが必要となり、診断までに時間のかかる病気の一つです。

また完治させることは難しく、生涯治療が必要になる疾患です。

猫のアトピー性皮膚炎の症状とは

皮膚の痒みによる症状が見られます。

アトピー性皮膚炎の時に見られる症状は皮膚の痒みによるものがほとんどで、代表的なものとしては以下のようなものがあります。

・頭部、頚部、耳介周囲の掻き壊し
・しつこくなめたり掻いたりすることによる脱毛(外傷性脱毛)
・皮膚にポツポツとした膨らみや瘡蓋ができる(粟粒性皮膚炎)
・皮膚や口唇粘膜に赤い膨らみや潰瘍ができる(好酸球性肉芽腫)

痒みには季節によって強弱のある場合がありますが、年間を通して痒みが継続することもあります。

また同時に結膜炎や外耳炎がみられることもあります。

猫のアトピー性皮膚炎の原因とは

様々な要因が複雑に関与しあっていると考えられます。

皮膚は外界から体を守るバリアとしての機能を持っていますが、アトピー性皮膚炎では何らかの要因によってバリア機能が破綻していると考えられています。

その要因として考えられるものには以下のようなものがあります。
・体質
・遺伝
・免疫機能
・ストレス
・生活環境
・皮膚の乾燥 など

これらの要因が単独ではなくいくつかが複合して影響することによって正常な皮膚のバリア機能が破綻すると考えられています。
バリア機能が低下した皮膚からは環境中のアレルゲン(花粉やハウスダスト、カビなど)の侵入を許してしまい、そこで免疫反応が起こることで強い痒みが起こってしまいます。

猫のアトピー性皮膚炎の好発品種について

以下の猫種で好発がみられます。

これらの品種以外でも起こり、発症は比較的若齢から見られます。

猫のアトピー性皮膚炎の予防方法について

生活環境を整えましょう。

アトピーの発症要因となりうるカビやハウスダストなどが多い不衛生な環境では、アトピー性皮膚炎のみならず呼吸器疾患なども発症しやすくなります。
定期的に掃除をし、生活環境の衛生状態を保つように心がけましょう。

ストレスを軽減しましょう。

必要以上にストレスをかけることは避け、また遊びやスキンシップをとることでストレスを発散させてあげるようにしましょう。

猫のアトピー性皮膚炎の治療方法について

炎症を抑える治療を行います。

アトピー性皮膚炎では強い痒みを抑えるために、ステロイドや免疫抑制剤などを投薬し皮膚に起こる過剰な炎症反応を抑える治療を行います。

これらのお薬は高用量で長期間投与すると副作用が起こることがあるため、症状の改善状態を見ながらできるだけ減量することが望ましいとされていますが、アトピー性皮膚炎は完治する病気ではないため、休薬すると再発してしまうこともしばしばです。

症例ごとによってうまく維持できる投与方法や投与量は異なるため、悪化しやすい季節には投与量を少し増やしたり、補助療法との組み合わせでできるだけ投薬量を減らすなど、状態に応じて微調整を行いながら治療を継続していきます。

また、犬のアトピー性皮膚炎の治療薬として有効であるとされている「分子標的薬」というお薬が猫のアトピー性皮膚炎でも使用され有効性が報告されつつあります。
ステロイドや免疫抑制剤に比べると副作用が少ないことから、より効果的な投与方法が検討されることに期待されています。

減感作療法を行うこともあります。

原因となっているアレルゲンが特定されている場合、その種類によってはアレルゲン特異的減感作療法という治療を行うこともあります。
減感作療法は原因物質をごく微量ずつ投与し、徐々にその投与量を増やしていくことで体に原因物質を慣れさせていく治療方法です。

治療を行う前には血液のアレルギー検査や皮内反応試験などでアレルゲン物質を特定する必要があり、治療も長期間かけて少しずつじっくりと行う必要があります。

また、犬に比べ猫ではアレルギー検査の精度や種類に限界があり、検査をしても原因が確実にわかるものではないということに注意しなければなりません。

補助療法を合わせて行います。

補助療法として、皮膚の状態を改善する食事やサプリメントの投与、シャンプー療法や保湿剤、外用薬などの塗布を合わせて行うこともありますが、猫の習性上、犬と同様には行えないケースも多く、個々の性格や体質に合わせたものをできる範囲で取り入れていく形が多くなります。

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