猫の卵巣腫瘍とは
多くは悪性腫瘍です。
卵巣腫瘍は未避妊の猫に起こります。
それほど多く見られる病気ではありませんが、猫の卵巣にできる腫瘍の半数以上は悪性腫瘍で、転移も起こります。
初期にはあまり目立った症状が出ないため、気づいたときには進行してしまっていることが多い病気です。
避妊手術をしていれば予防できる病気ですので、病気になる前に子宮卵巣の摘出を検討してあげましょう。
猫の卵巣腫瘍の症状とは
発情の異常が見られることがあります。
腫瘍の種類によって症状は異なりますが、ホルモンが過剰に産生される腫瘍(主に顆粒膜細胞腫)では
・持続的な発情
・攻撃的になる
・脱毛
などの症状が出る場合があります。
卵巣はもともと小さな臓器で、腫瘍ができても巨大になることは少なく、大きくても5cmを超えることはほとんどありません。
そのため、触診などで早期に発見することは難しい場合が多く、避妊手術の際に偶発的に発見されることもあります。
腹腔内で腫瘍が大きくなり、腫瘍細胞が腹膜などに播種した場合には腹水が溜まることがあり、それに伴って腹囲膨満、食欲不振、元気消失などの症状が見られます。
猫の卵巣腫瘍の原因とは
原因は不明です。
明確な原因はわかっていません。
卵巣にできる腫瘍には
・顆粒膜細胞腫
・未分化胚細胞腫
・卵巣腺癌
・転移性腫瘍(リンパ腫や子宮内膜癌)
などがあります。
この中で最も多いのは顆粒膜細胞腫です。
顆粒膜細胞腫の半数以上は悪性で、多くの場合は診断時に肺やリンパ節に転移が起こっています。
猫の卵巣腫瘍の好発品種について
好発する品種はありません。
特にありません。
猫の卵巣腫瘍の予防方法について
避妊手術で予防できます。
避妊手術をすることが最大の予防になります。
猫の卵巣腫瘍はあまり多く見られる病気ではありませんが、その要因の一つは避妊手術が浸透していることによって発生頻度が抑えられていることが挙げられます。
避妊手術は卵巣腫瘍だけでなく、発情期のストレス緩和、子宮蓄膿症、子宮の腫瘍などの予防にもなります。
繁殖の予定がないのであれば、若くて元気なうちに避妊手術をしてあげましょう。
猫の卵巣腫瘍の治療方法について
外科手術でできるだけ早く切除することが重要です。
外科手術で卵巣と子宮を切除します。
卵巣腫瘍がある場合には、子宮の内膜が肥厚するなど子宮にも影響性の変化が出ていることが多いため、一緒に切除します。
転移がなく、腫瘍が破裂していなければ、手術によって予後は良好です。
しかし、猫の卵巣腫瘍の大部分は悪性腫瘍です。
早期に気づきにくいということもあり、診断時には肺や肝臓、脾臓、腎臓、腹膜、リンパ節などに転移している場合も少なくありません。
転移が起こっている場合には、手術後に補助療法として抗ガン剤治療が行われる場合もあります。