ウィズぺティ
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 犬の病気辞典 > 犬のケンネルコフ
Youtube 病気辞典
Youtube 病気辞典

監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬のケンネルコフとは

伝染力の強い犬の上部呼吸器感染症です。

ケンネルコフは、さまざまなウイルス、細菌が複合的に感染し、人の風邪のような症状を引き起こします。犬伝染性気管気管支炎と呼ばれます。1歳未満の若い犬でよく見られ、感染動物からの飛沫感染、接触感染によって伝播し、強い感染力を持ちます。

主な症状は乾いた咳です。ケンネルコフの原因になる病源体の一部は混合ワクチンの種類によっては予防できますが、全ての原因を予防できるわけではありません。そのため、発生頻度は高く日常的に見られる疾患です。

犬のケンネルコフの症状とは

咳や鼻水などの症状がみられます。

潜伏期間は3~10間程度とされています。そのため、仔犬を迎え入れてから数日で発症するということがあります。
主な症状は乾いた咳ですが、運動時運動後に悪化することがあります。また、声帯に炎症が見られる場合、声がかすれたり、呼吸時にガーガー言うようになります。症状が進行すると鼻汁、くしゃみ、発熱が見られることがありますが、一般的には元気や食欲に問題が無いことが多いです。さらに進行してしまいますと、湿った咳、粘性の鼻汁、眼脂などが見られ、気管支肺炎に至ることがあります。これらは二次的な細菌感染によるもので、元気や食欲の低下、呼吸困難が見られる場合は危険な徴候です。

犬のケンネルコフの原因とは

様々なウイルスや細菌が原因になります。

犬アデノウイルス2型、犬パラインフルエンザ、気管支敗血症菌(ボルデテラ)に加え、犬呼吸器コロナウイルス、犬ヘルペスウイルス1型、犬ニューモウイルス、犬インフルエンザウイルス、マイコプラズマなどの病原体がケンネルコフを引き起こすことが明らかになっています。

犬のケンネルコフの好発品種について

全犬種で好発します。

幼齢から若齢犬で高感受性ですが、感染症のため好発犬種はありません。

犬のケンネルコフの予防方法について

ワクチンにより予防します。

犬アデノウイルス2型、犬パラインフルエンザウイルスは一般的な混合ワクチン(5種、6種、8種など)に含まれていますので、ワクチン接種により予防することができます。また、犬アデノウィルス2型、犬パラインフルエンザウイルスに加え、気管支敗血症菌(ボルデテラ)に効果のある鼻に入れるタイプのワクチンもあります。しかしながら、ケンネルコフはさまざまな病源体が関与する感染症であるため、混合ワクチンを接種したから確実に予防できるというわけではありません。

ワクチンの効果

ケンネルコフの予防という点では混合ワクチンの予防効果は不完全ではありますが、犬パルボウイルス感染症、犬ジステンバーウイルス感染症のように子犬に致死的な症状を引き起こす感染症に対しては、効果は期待出来るでしょう。

ケンネルコフは伝染力の強い疾患であり、犬との接触により感染が拡大します。保護施設やペットショップのような多頭飼育の環境で流行します。免疫機能の弱い1歳未満の若い犬が感染しやすいため、ドッグランなどでも病原体を貰ってしまうこともあります。若い犬にとっては、犬が多くいる環境は社交性を学ぶ大切な場所ですが、ワクチン接種を済ませる、体調が万全な状態で行く、体調不良が見られたら動物病院に連れて行く、これらのことを踏まえて外出するようにしましょう。

犬のケンネルコフの治療方法について

内科的な対症療法をおこないます。

抗生物質、気管支拡張剤、鎮咳剤の投与を行います。ウイルスの排除は犬の免疫機能に任せ、気管支敗血症菌や症状を重症化させる二次的な細菌感染を抗生物質で防ぎます。

症状が悪化しやすい幼若な犬には噴霧療法による投薬を行う場合があります。これは専用の機器で薬剤を水蒸気として噴霧し、犬の呼吸器に直接届ける方法です。気管や気管支の分泌物を取り除く効果が期待出来ます。

ケンネルコフの治療は大体1週間ほどで症状が良くなりますが、2週間程度継続することが推奨されています。

ナンバーサプリのウィズメディカ
ページ先頭へ SSL グローバルサインのサイトシール