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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)とは

猫エイズウイルスへの感染によって免疫不全状態になる病気です

猫エイズとは猫免疫不全ウイルス(FIV)の感染によっておこる病気です。
数年かけて免疫機能が徐々に低下し、進行すると免疫不全の状態になり、それに伴う様々な症状が現れます。

感染しても発症まではあまり症状を示さずに数年過ごすこともありますが、その間にも体を守る免疫細胞が徐々に減少し、発症時には様々な感染症にかかったり、貧血や腫瘍の発生などを起こします。

一度感染すると完治することはなく、発症すると最終的には衰弱して命を落としてしまいます。

猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)の症状とは

初期は無症状のことが多い病気です

感染初期には軽い発熱やリンパ節の腫れ、下痢などが症状として見られます。
その後は一度症状が落ち着いたようになりますが、数年後に発症期を迎えると、徐々に免疫細胞が減少し、それに伴い様々な感染症や貧血、腫瘍の発生などを起こすようになります。

病期には、以下のような段階があります。

① 急性期
感染後2週間くらいで、発熱、食欲不振、リンパ節の腫脹、白血球の減少などが起こります。
この時期に抗体が作られ、血液検査で陽性が判定できるようになります。
成猫であれば1~2カ月で自然に改善して、無症候キャリアとなります。

② 無症候キャリア期
急性期の後は2~4年、猫によっては10年程、症状を示さない無症状の期間があります。
症状がなくてもウイルスは体内にとどまっており、検査で判定も可能です。
無症候キャリア期の長さは猫によって個体差があり、中には無症候キャリア期のまま寿命を迎えることもあります。

③ 持続性リンパ節腫大期
無症候期から発症期に向かう途中で、全身のリンパ節が腫れる時期です。
リンパ節の腫れ具合は個体差が大きく、期間も2~4カ月程度のため、気付かずに発症期に入ることもあります。

発症すると症状が現れ始めます

④ エイズ関連症候群期
ウイルスの増殖によって、様々な症状が現れ始める発症期です。
リンパ節の腫大、原因不明の発熱、体重減少、尿路感染症、慢性口内炎、慢性呼吸器疾患、慢性皮膚疾患など、様々な症状が現れます。
軽度の貧血や、神経症状としておびえたような行動や隠れるといった性格の変化がみられることもあります。

末期には免疫不全状態になります

⑤ 後天性免疫不全症候群期
白血球が非常に減少し、免疫不全の状態となります。
健康であれば感染することのない細菌にも日和見感染を起こし、身体は重度に痩せ、貧血や腫瘍(リンパ腫など)の発生が高頻度に起こります。
徐々に体が衰弱し、最終的には亡くなってしまいます。

猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)の原因とは

猫同士のけんかによるウイルス感染が主な原因です

猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染することによっておこります。

感染している猫の血液や唾液などにウイルスが存在しており、主にケンカによる咬傷を通じて、唾液から感染が起こります。

また、稀ですが交尾による感染や、母子感染も起こることがあります。

猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)の好発品種について

好発する品種はありません。

猫種による好発傾向はありません。
外に出て感染猫と接触する機会のある猫に感染がみられ、特になわばりを巡ってケンカをする雄猫の感染は、雌猫の2倍位以上といわれています。

猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)の予防方法について

室内飼育を徹底しましょう

感染している猫との接触がなければ感染しません。
そのため、外に出さないことが一番の予防になります。

また、新しく猫を迎える場合(特に拾った猫)は、先住猫と一緒にする前に検査を受け、感染している場合には生活空間を完全に分ける(フードボウルやトイレなども)ことで感染の拡大を予防できます。

ウイルス自体は、猫の体外では非常に不安定で、ほとんどの消毒液が効果的です。
人の手を介して感染が広まらないように、手洗い、消毒、洗浄などを徹底しましょう。

ワクチン接種で予防しましょう

猫エイズにはワクチンがあります。
FIVにはいくつかの型があり、すべての型に劇的な予防効果があるわけではないので、ワクチンをしていれば100%安心というわけではありませんが、感染する機会がある(同居猫が感染しているなど)場合には、接種を検討してみるといいでしょう。

猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)の治療方法について

発症を遅らせる治療を行います

FIVに感染してしまうと、完治させる治療はありません。
しかし早期に発見できれば、免疫を高める治療などで発症を遅らせることができる場合もあります。
中には無症候キャリアのまま天寿を全うする猫もいます。

発症後は対症療法と十分な栄養補給を行います

発症してしまった場合は、対症療法を行い、栄養を十分に補給します。
感染症には抗生物質などを投与して症状を軽減させ、インターフェロン療法などで免疫を高める治療も併せて行われます。

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