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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の糖尿病とは

インスリンの不足によって高血糖が生じる疾患です。

インスリンとは、膵臓から分泌されるホルモンであり、糖の代謝を調節します。インスリンの不足や欠乏によって血液中の糖の代謝が上手くいかず、長期の高血糖状態が続くと様々な代謝異常を引き起こします。このような状態を糖尿病と呼びます。

犬の糖尿病の症状とは

血糖値の上昇による症状

インスリンの不足、欠乏により、血糖値の上昇を引き起こします。

血糖値の上昇は血液の浸透圧を上昇させ、血管外の水分を血管内に引き込みます。血管内の水分が過多になり尿から排出される多尿が見られます。細胞は脱水状態になり、脱水を解消しようと水を過度に飲む多飲が引き起こされます。

高血糖による血管障害により腎不全が引き起こされることもあります。
また、高血糖が続くと眼球内の水晶体にソルビトール、糖化蛋白と呼ばれる物質が蓄積することで水分を引き込み、白濁が広がっていきます。これを糖尿病性白内障と呼びます。

また、高血糖が続くことで、白血球の働き自体が悪くなる、血流が悪くなることで白血球が感染部位に到達しにくくなる、などの理由から感染症にかかりやすくなります。特に膀胱炎や子宮蓄膿症などの泌尿生殖器の感染症や皮膚の感染症が多く見られます。

細胞のエネルギー不足による症状

糖が代謝出来なくなることで、細胞はエネルギー不足となります。エネルギーを必要とするため多食となります。しかしながら、摂取した栄養は代謝出来ないため痩せていきます。そのため、糖尿病になると、食欲はあってよく食べるのにどんどん痩せてくるという現象を引き起こします。

糖尿病に関係するその他の症状

糖尿病が進行すると血液中にケトンと呼ばれる脂肪を代謝した際に見られる物質が増えてきます。ケトンが増加するとケトアシドーシスを併発し、元気消失、食欲不振、嘔吐、下痢、脱水などの症状が見られるようになります。ケトアシドーシスの状態になってしまいますと、緊急治療が必要になります。

犬の糖尿病の原因とは

糖尿病は原因の違いによりⅠ型糖尿病、Ⅱ型糖尿病に区分されます。

Ⅰ型糖尿病ではインスリンを分泌する組織である膵臓がウイルスや自己免疫疾患(免疫機構が自己組織を攻撃する)、急性膵炎などの原因によって破壊され、インスリンを分泌することができなくなる、もしくはほとんど分泌できない状態になります。クッシング症候群、ステロイド剤の長期投与が原因となることもあります。

Ⅱ型糖尿病ではインスリン分泌能ではなく、細胞のインスリンを受け入れる力が低下します(インスリン抵抗性が発生する)。遺伝的要因や肥満などの因子によりⅡ型糖尿病は発生しますが、犬では稀です。

また、避妊手術を受けていない雌の場合、発情後の黄体期にインスリン抵抗性が見られることで糖尿病を発症することがあります。

犬の糖尿病の好発品種について

全犬種で好発します。

ゴールデン・レトリーバー、キースハウンドが好発犬種です。これらの犬では若齢で糖尿病が発症しやすいと言われています。

Ⅱ型糖尿病

猫ではⅡ型糖尿病が見られますが、犬では稀であるとされています。

犬の糖尿病の予防方法について

Ⅰ型糖尿病

予防方法は無いため、早期発見・早期治療をおこないます。典型的な初期症状である多飲多尿、多食、体重減少に気が付いたらすぐに動物病院に相談しましょう。

Ⅱ型糖尿病

人や猫で見られるⅡ型糖尿病は肥満や運動不足が原因となるため、肥満にさせないことが予防につながりますが、犬ではⅡ型糖尿病では見られず、肥満は糖尿病の原因となりません。

犬の糖尿病の治療方法について

インスリンの投与をおこないます。

犬の糖尿病の治療では、生涯インスリンの投与が必要となります。一般的には1日2回のインスリンの皮下投与をおこないます。定期的な検査を受け、その都度インスリンの投与量や食事量の調節が必要となることもあります。また、食事は糖尿病療法食が推奨されます。これは、低炭水化物、高繊維のフードによって食後の高血糖が抑えられるためです。しかしながら、インスリンの投与で良好な血糖コントロールが出来ている場合は、一般の総合栄養食の給与も可能とされています。

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