猫ひっかき病(バルトネラ症)とは
バルトネラという菌によっておこる感染症です。
猫ひっかき病はBartonella henselaeという細菌によっておこる感染症です。
猫にはあまり症状を示しませんが、感染している猫に引っ掻かれるとヒトに感染し、発熱やリンパ節の腫れなどの症状を示します。
猫の病気としてより、猫によってヒトに起こる病気として注意が必要な病気です。
猫ひっかき病(バルトネラ症)の症状とは
猫自身は無症状です。
バルトネラに感染しても、猫自身には症状はありません。
感染猫に引っ掻かれるとヒトに感染し、傷の周囲の腫れ、発熱やリンパ節の腫れ、食欲不振、倦怠感、頭痛などといった症状を示します。
あまり多くはありませんが、重症例ではパリノー症候群(耳周囲のリンパ節炎、眼球運動障害、結膜炎)、脳炎、骨融解性病変、血小板減少症、心内膜炎、肉芽腫性肝炎などを起こすことがあります。
免疫不全状態の人が感染すると細菌性血管腫という皮膚腫瘤を作ることもあります。
猫ひっかき病(バルトネラ症)の原因とは
血液に寄生するBartonella henselaeが原因です。
Bartonella henselaeという細菌によっておこります。
バルトネラは猫の赤血球内に寄生します。
主に3歳以下の猫での保菌率が高く、感染猫に引っかかれる、噛まれる、あるいはノミを介して感染します。
猫では成長とともに免疫機構が働き、体から自然に排除されます。
そのため成猫での感染率が低いのではないかとされています。
ヒトへの感染も猫に引っ掻かれる、噛まれる、あるいはノミを介して起こります。
猫ひっかき病(バルトネラ症)の好発品種について
好発する品種はありません。
品種による好発傾向はありません。
3歳以下の猫で保菌率が高いとされています。
猫ひっかき病(バルトネラ症)の予防方法について
こまめに爪を切りましょう。
爪を切ることで、万が一ひっかかれたときに傷ができないようにしましょう。
特に子猫の爪は細く、少し伸びただけでも皮膚に刺さってしまいます。
こまめにチェックしてできるだけ短く切っておきましょう。
ノミの駆除も重要です。
ノミを介して感染することも多いため、外でネコを拾った際や外に出て行ってしまう猫では、ノミのチェック・予防・駆除をしっかりと行い、ノミを家に入れないようにしましょう。
一度ノミが付くと、寝床や床の敷材、ソファなどの布製品に潜んでいることもあるため、猫自身のノミ駆除と並行して、家の中の徹底的な掃除が必要になります。
猫ひっかき病(バルトネラ症)の治療方法について
猫は治療は必要ありません。
猫自身にはバルトネラ感染による症状はなく、成長とともに体から排除されるため、特に治療は必要ありません。
猫からヒトに感染した場合は、症状が軽度の場合は安静にして経過観察し、自然に回復するのを待ちますが、症状が重度の場合は抗生物質を投与して治療します。
猫に噛まれたらとりあえず病院を受診し、リンパ節の腫れ・痛みの状態などをチェックしてもらい、治療が必要かどうか診てもらいましょう。
特に免疫抑制剤を飲んでいる人や、抗がん剤治療などで免疫が低下している人、心臓病を抱えている人は注意が必要です。