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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫のチョコレート中毒とは

チョコレートは猫にとっては有害な食品です。

猫にはチョコレートを食べさせてはいけません。
猫がチョコレートを食べると、チョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインという成分によって、消化器や循環器、神経系に様々な中毒症状を起こします。

摂取した種類や量によって症状は軽度から重度までさまざまですが、大量摂取した場合には痙攣発作などを起こし死に至ることもあるため、注意が必要です。

原因はチョコレートやココアパウダーなどを含む食品の盗食です。
猫はチョコレートを好んで食べることはあまりないため、犬に比べると発生頻度は少ないですが、猫が誤ってヒトの食べ物を口にすることがないように、食品の管理には十分気をつけましょう。

猫のチョコレート中毒の症状とは

消化器症状や循環器症状、神経症状が現れます。

チョコレート中毒の症状には以下のようなものがあります。
・落ち着きがなくなる
・異常興奮
・過敏反応
・尿量が増える
・嘔吐
・下痢
・頻脈
・呼吸が速い
・高体温
・筋肉の震えや硬直
・痙攣

摂取から1~2時間では、初期の症状として落ち着きがなくなったり、不安な様子を示したりします。
時間が経過すると2~4時間後くらいには消化器症状を示すようになり、摂取量が多い場合には頻脈や不整脈によって呼吸が苦しいなどといった症状が見られることがあります。

より重度の場合には筋肉の震えや痙攣などの神経症状を示し、場合によっては命を落とすこともあります。

猫のチョコレート中毒の原因とは

カカオ豆に含まれる成分によっておこります。

中毒症状を起こす原因物質は、テオブロミン、カフェインなど、メチルキサンチンに分類される物質で、チョコレートの原料であるカカオ豆に含まれています。
そのため、チョコレートだけでなく、カカオ豆を原料として作られるココアパウダーなどにも含まれます。
これらの成分はヒトでは問題になることはあまりありませんが、犬猫では分解が遅いために中毒症状を起こしてしまうのです。

症状の強さは摂取したチョコレートの量と種類によって決まります。
猫では50%致死量(50%の猫が死に至る量)は体重1kgあたり80~150mgとされていますが、軽度な症状は体重1kgあたり20mg程度でも起こり、60mgを超えると中枢神経症状が起こりやすくなります。

メチルキサンチンはカカオ豆そのものや料理用のチョコレート、ビターチョコレートでの含有量が高く、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートでは比較的含有量が少なくなります。
最近よく販売されている高濃度カカオチョコレートでは含有量が高くなりますので、少量の摂取でも特に気を付ける必要があります。

猫のチョコレート中毒の好発品種について

好発する品種はありません。

特にありません。

猫のチョコレート中毒の予防方法について

食品の管理に気を付けましょう。

猫は好んでチョコレートを食べることはほとんどありません。
しかし、ヒトが食べるものを口にすることが習慣化している猫では、盗食の際に誤って口にしてしまうこともあります。
食品の管理には気を付けるとともに、ヒトの食べ物を日常的に与えることもやめましょう。

猫のチョコレート中毒の治療方法について

催吐処置を行います。

チョコレート中毒に対する解毒薬はありません。
できるだけ早く食べてしまったチョコレートを吐かせ、成分が吸収される前に除去することが第一です。
摂取した後1~2時間後位までであれば、催吐処置によって症状の発現を防ぐことができます。
自宅で吐かせることは現実的に難しいので、急いで病院へ連れていきましょう。
また、その際にはどんなチョコレートをどれくらい食べたのか、獣医師に伝えましょう。

催吐処置には経口投与で薬剤を飲ませる方法と、注射で吐き気を起こす薬物を投与する方法があります。
いずれの場合も催吐処置の後、吐き気が続くことがあるので、注射や内服薬で吐き気止めや胃粘膜保護も併せて行います。

時間が経過している場合には数日間要注意です。

チョコレートを食べてしまってから時間が経過している場合には、すでにチョコレートが胃から腸へ流れてしまっており、催吐処置をしても意味はありません。
体に吸収される量を少しでも減らすことを期待して、活性炭などの吸着剤を経口投与します。

吸収されたチョコレートの成分は3日~数日間、体にとどまるとされています。
その間は、重篤な症状が出ないかどうか注意しながら経過観察します。

消化器症状がある場合には対症療法を行います。

嘔吐や下痢などの症状がみられる場合、脱水や電解質の異常が起こることがあるため、点滴で水分補給と電解質の補正を行うとともに、吐き気止めなどを注射して、対症療法を行います。

痙攣がある場合には痙攣を抑える治療が必要です。

痙攣が長く持続してしまうと、脳に障害が起こったり、高体温になって命の危険があるため、すぐに病院へ連れていき、痙攣を抑える注射をしてもらいましょう。
一度おさまっても再び痙攣が起こることがあるので、必要に応じて入院し、自宅に帰ってからもテオブロミンが体から排泄されるまでの数日間は注意して様子を見る必要があります。

不整脈の治療は入院下で行います。

猫に苦しそうな様子があり、心電図検査で頻脈による不整脈が見つかった場合には、静脈点滴で不整脈が治まるまで治療が必要です。
不整脈が起こっている間は、全身にうまく血液を送り出せない上に、心臓にも負担がかかってしまいます。
不整脈を抑える治療は血圧や心電図のモニターが必要なため、入院して集中管理してもらい、脈と血圧が安定したら退院できます。

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