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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の耳血腫とは

耳が血様漿液が貯留して腫大します。

耳介の皮膚と耳介軟骨の間、あるいは耳介軟骨内に血様漿液が貯留して耳介が腫れる疾患です。犬の耳の疾患としてはよく見られる疾患です。複合的な要因によって発生するとされています。耳介が変形してしまうことや再発することもあります。

犬の耳血腫の症状とは

耳が腫れる、耳を気にする、などの症状が見られます。

耳が急に腫れる、耳を気にする、頭をよく振る、などの症状が見られます。この耳の腫れは、耳介の皮膚と耳介軟骨の間、あるいは耳介軟骨内に血様漿液が貯留している状態です。飼い主さんが気付かずに経過してしまい、既に耳介が変形した状態で発見されることもあります。

症状が出始めた急性期は、耳介内側の腫れや熱感、耳介の痛みから頭周辺を触られるのを嫌がる、といった症状が見られるようになります。耳介の腫れは、耳介全体で見られることが一般的ですが、耳介の先端など部分的なこともあります。

耳血腫は治療せず経過観察すると、1か月程度で腫れが引くとされています。この時に耳介が変形したり肥厚してしまいます。その結果、外耳道口(耳の穴)が狭くなり慢性の痒みを引き起こすことがあります。耳介の正常な形態を保つためにも治療が必要になります。

犬の耳血腫の原因とは

耳に痒みを引き起こす疾患が原因になります。

アレルギー性外耳炎、マラセチア性外耳炎、耳ダニ感染による外耳炎などの耳に痒みを引き起こす疾患が原因として挙げられます。これらの痒みが見られる疾患が基礎疾患となり、耳を掻く、頭を振るなどの物理的な衝撃や免疫介在性疾患が原因で、耳介軟骨内の血管破綻が発生すると言われています。耳介軟骨の内部に亀裂が生じ、炎症産物が侵入し破綻した血管からの血液が流入することで血腫が形成されます。

犬の耳血腫の好発品種について

全犬種で好発します。

垂れ耳の犬などの耳のトラブルが起きやすい犬種で耳血腫はよくみられますが、どの犬種でも発症する疾患であり特別な好発犬種はありません。

犬の耳血腫の予防方法について

原因疾患を早期発見・早期治療します。

耳血腫は、アレルギー性外耳炎、マラセチア性外耳炎、耳ダニ感染による外耳炎などの耳に痒みを引き起こす基礎疾患が存在します。これらの基礎疾患を放置してしまいますと、耳血腫を引き起こしてしまう可能性がありますので、基礎疾患の早期発見・早期治療をおこないましょう。また、普段から定期的な耳掃除などのケアをして基礎疾患の予防をしましょう。

犬の耳血腫の治療方法について

外科的療法、内科的療法があります。

耳血腫は、治療をしなくても1ヶ月程度で漿液の貯留が落ち着くとされています。また、どのような治療方法であっても1ヶ月程度で治療は終了するため、予後は良好と言えます。しかし耳介の著しい変形や肥厚を招いてしまいますと、慢性の痒みを引き起こしたり、美観を損なってしまうため、これらが起こらないような治療方法を選択しましょう。

最も簡単な方法としましては、貯留している液体を繰り返し吸引する方法があります。麻酔や鎮静処置などは必要ないというメリットはありますが、複数回になってしまう、処置による恐怖を与えてしまう、耳介が変形しやすい、といったデメリットがあります。

外科的療法としましては、パンチドレナージ法があります。これは、皮膚生検用のパンチで耳介に複数箇所穴を開ける方法です。貯留液、血餅を全て除去し、縫合します。抜糸まで可能な限り基礎疾患の治療をおこないます。この方法は再発が少ないとされています。

外科的療法ができない場合、内科的療法をおこないます。副腎皮質ホルモン剤の内服、副腎皮質ホルモン剤の耳介への注入、などの方法があります。
耳介へインターフェロンを注入する方法もあります。この方法は、簡単におこなうことができ、耳介が変形しにくいというメリットがありますが、薬剤が高価であるというデメリットがあります。

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