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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の「痙攣」症状とは

脳が異常な状態です。

痙攣とは、脳が異常な指令を体に送ってしまうことで、意識的ではない動きが見られてしまう状態のことを言います。体は震え、肢をバタバタさせてしまいます。同時に失禁したり、涎が見られたり、歯を食いしばってしまうことがあります。

痙攣は見られた場合、緊急性の高い状態である場合がありますので、なるべく早く動物病院で診てもらうことをおすすめいたします。また、可能であれば痙攣を起こしている状態の動画を撮っておいていただくと良いかと思います。診察の際に獣医師に見せることで診断の助けになる場合があります。

犬の「痙攣」症状の考えられる病気(原因)とは

てんかん

脳の異常放電により、反復性のてんかん発作が引き起こされる慢性疾患です。てんかん発作には身体の痙攣、硬直、脱力や意識障害が含まれます。

てんかんは発作を繰り返すことで病状を悪化させます。てんかん発作が連続で発生することで発作重積と呼ばれる状態になり、高度の脳障害や心肺停止を引き起こします。
意識障害や痙攣、硬直または脱力が、全身や身体の特定の部分に見られます。犬では強直間代性の発作(気絶し全身を痙攣させるような症状)が多くみられますが、発作の強さや持続時間にはバリエーションがあり、皮膚がぴくぴく震えるような気が付きにくい発作を起こす場合もあります。また、てんかん発作は基本的に反復性であり、期間に個体差はありますが繰り返し症状が引き起こされます。

水頭症

脳は頭蓋や脊柱内にぶらさがり脳脊髄液の中に浮かんでいます。水頭症とは、脳脊髄液が異常にたまり脳を圧迫した状態のことを言います。脳を圧迫することで、脳の正常な機能が失われることがあります。

仔犬の時に観察される先天的な水頭症の中には、頭蓋骨の形成不全を伴うことがあります。このような場合、落陽現象と呼ばれる片側性もしくは両側性の外斜視が多く認められます。臨床症状としましては、学習遅延や見当識障害などのさまざまな程度の意識障害が観察され、脳の器質的変化の進行に伴い、視覚障害やふらつき、痙攣発作などの神経機能障害も観察されます。成犬の時に観察される水頭症では、初期症状として沈鬱、活動性の低下など脳圧亢進症状が観察されます。

脳炎(髄膜脳炎)

脳炎とは、脳で炎症が起きた状態のことを呼びます。脳や脊髄を包み込んでいる髄膜にも炎症が波及している状態を髄膜脳炎と呼びます。

脳炎(髄膜脳炎)は、感染性と非感染性に分けられますが、犬では非感染性のものが多いとされています。感染症に関連せずに原因不明の髄膜脳炎の中でも脳全体に壊死などの炎症が起こるものを壊死性髄膜脳炎と呼びます。パグに多く見られるところからパグ脳炎と呼ばれます。痙攣発作、運動失調、視力障害などが見られ、進行しますと意識障害、摂食障害などが生じ数日から数週間かけて急激に悪化します。

犬の「痙攣」症状の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

てんかんは、トイプードル、ミニチュアダックスフント、ポメラニアン、ビーグル、シベリアンハスキー、イタリアングレイハウンド、ボストンテリアなどが好発犬種とされています。

水頭症は、シーズー、チワワ、トイプードル、パグ、ブルドッグ、ペキニーズ、ボストンテリア、ヨークシャーテリアなどが好発犬種とされています。

髄膜脳炎は、パグ、シーズー、チワワ、ペキニーズ、ボストンテリア、ポメラニアン、マルチーズ、ヨークシャーテリアなどで見られることがあります。

犬の「痙攣」症状の予防方法について

予防方法はありません。

早期発見、早期治療が重要になります。

犬の「痙攣」症状の治療方法について

てんかん

てんかんの治療は、抗てんかん薬を用いた内科的な発作管理になります。とくに特発性てんかんの治療は、一般的に生涯治療が必要となり、寛解することは非常にまれです。
適切な治療により、およそ6~7割の症例が3か月に1回以下の発作頻度にコントロールされます。そのような症例の予後は比較的良好であるとされています。

水頭症

水頭症治療の第一選択は外科療法になります。脳室腹腔短絡術が現在の小動物医療ではもっとも信頼のおける手術であると言われています。この手術では、側脳室と腹腔内を短絡させ、脳室系に過剰に貯留する脳脊髄液を腹腔内で吸収させるようにします。

急激に頭蓋内圧が上昇した場合や、何らかの理由により手術が困難である場合は、症状の緩和を目的とした内科療法をおこないます。利尿剤によって脳脊髄液の産生を低下させ、浮腫を除き、頭蓋内容積を減少させることで頭蓋内圧を低下させます。副腎皮質ホルモン剤によって脳の血管外性の浮腫を改善させることで脳圧を低下させます。

脳炎(髄膜脳炎)

非感染性の髄膜脳炎の治療は、副腎皮質ホルモン剤を中心とした免疫抑制療法がおこなわれます。痙攣発作が見られている場合は、抗てんかん薬も併用します。多くの場合、生涯に渡る治療が必要になります。

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