犬の「食欲不振」症状とは
病気が隠れている可能性があります。
犬の食欲不振には様々な原因が考えられます。
環境の変化によるストレスや遊び過ぎなどの原因で疲れが出てしまい、一時的に食欲不振になってしまう場合や今まで食べていたドッグフードに飽きてしまった場合であれば、経過観察をしていただいて大きな問題は無いかと思います。
嘔吐や下痢などの消化器症状やぐったりしているなど、何らかの症状が見られている場合は注意が必要です。
犬の「食欲不振」症状の考えられる病気(原因)とは
嘔吐や下痢などの消化器症状が見られる場合
・急性胃腸炎
急性胃腸炎とは、嘔吐や軟便、下痢などが見られる一過性の胃腸炎のことを言います。急性胃腸炎の原因は多岐に渡り、食事性、薬物性、中毒性、細菌性、ウイルス性、寄生虫性などが挙げられます。
・急性膵炎
急性膵炎とは、何らかの原因によって膵臓が炎症を起こした状態のことを呼びます。食欲不振、活動性の低下、嘔吐、下痢、腹痛などがよく見られます。全身的な炎症反応を引き起こし短期間のうちに死亡してしまうこともあります。
・炎症性腸疾患
炎症性腸疾患とは、慢性腸症のうち免疫抑制薬に治療反応を示すものを呼びます。主な症状としましては、活動性の低下、小腸性下痢、大腸性下痢、嘔吐、体重減少、腹痛などが認められます。
・膵外分泌不全
膵外分泌不全とは、膵腺房細胞の萎縮や破壊によって膵酵素の分泌能力が90%以上失われることで消化不良を生じる疾患です。便の量が増え、体重は減少します。典型例では小腸性下痢が見られ、脂肪便が見られることもあります。
腎臓・肝臓の疾患
・急性腎不全
急性腎不全は嘔吐を繰り返し、元気や食欲が低下します。急性腎不全は、脱水などによる腎血流の減少、腎臓自体の障害、尿路の閉塞、などが原因で引き起こされます。腎臓への障害の原因としては、毒物、薬物、感染が挙げられます。
・急性肝不全
さまざまな原因により、急激に肝臓に炎症が起こっている状態を急性肝炎と呼びます。はっきりとした原因が特定できないこともありますが、珍しい病気ではありません。具体的な症状としましては、活動性の低下、食欲不振、嘔吐などの体調不良としてよく見られるような症状に加えて、黄疸や神経症状など肝臓が悪いことを示唆するような症状が見られるようになります。
その他の疾患
・子宮蓄膿症
子宮に細菌感染が起き、多量の膿が貯留する疾患です。食欲不振、元気消失、嘔吐、多飲多尿、膣からの膿の流出などの症状が見られます。急性の子宮蓄膿症では数日~1週間程度の経過で命にかかわる状態になります。
・免疫介在性溶結性貧血
免疫介在性溶血性貧血は、自己免疫が関わっている疾患のひとつです。自分の赤血球を異物であると誤って判断して攻撃してしまい、溶血性貧血を引き起こす疾患です。症状としましては、白眼や口の粘膜が白っぽくなる、食欲不振、活動性が低下するといったものが見られるようになります。
犬の「食欲不振」症状の好発品種について
全犬種で好発します。
あらゆる犬種で見られます。
犬の「食欲不振」症状の予防方法について
予防できる病気もあります。
ストレスを与えないようにする、適度な運動をする、食べ飽きないようにドッグフードをローテーションする、など自宅て出来ることもあるかと思います。
また、ウイルス性の胃腸炎など、ワクチン接種によって予防できる病気もあります。
犬の「食欲不振」症状の治療方法について
食欲増進のお薬がありますが、根本的な解決が必要です。
犬の食欲増進剤として、メトクロプラミド、モサプリド、シプロヘプタジンなどのお薬が知られています。
一定の効果は望めますが、食欲不振の原因を取り除いたり、原因となる疾患を治療する必要があります。