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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の「円形脱毛」症状とは

何らかの皮膚疾患によって円形脱毛になっている可能性があります。

犬が円形に脱毛している時は、生理的な問題の無い脱毛と何らかの皮膚疾患による脱毛があります。

柴犬などの日本犬は春に換毛期が訪れ毛が減ります。このような時の一時的な脱毛は特に問題ありません。

しかし、円形脱毛に加え、皮膚の赤み、痒み、かさぶた、ふけなどが見られる場合は皮膚疾患である可能性が高いです。

犬の「円形脱毛」症状の考えられる病気(原因)とは

膿皮症

細菌感染が原因となる皮膚疾患を膿皮症と呼びます。膿皮症は、細菌感染の深さにより表在性膿皮症と深在性膿皮症に区別されます。犬でよく見られる皮膚疾患の一つです。

表在性膿皮症は、表皮や毛包への細菌感染で引き起こされます。皮膚表面の赤み、痒みなどが見られ、表皮小環と呼ばれる円形の鱗屑が見られます。色素増加もよく認められます。

深在性膿皮症は、毛包よりも深い組織に細菌感染が起こることで発症します。細菌感染を受けた毛包に潰瘍が形成され、体重がかかる箇所や胴体に見られることが多く、脱毛、皮膚組織の浮腫、炎症が見られます。

急性湿疹(ホットスポット)

急性湿疹は細菌感染による皮膚の急性の炎症です。
高温多湿の環境で起こりやすく、梅雨の時期から夏にかけて発症が多いとされています。

強い痒みがあるため、患部を気にして噛んだり舐めたり、掻き壊します。その際に円形脱毛が見られ、飼い主が気付くことが多いです。
脂漏症、アレルギー性皮膚炎、内分泌疾患などの基礎疾患がある場合に発症しやすい傾向があります。

皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症とは、真菌(カビ)の仲間である皮膚糸状菌が原因となる皮膚疾患です。
皮膚糸状菌症は人獣共通感染症ですので、愛犬が皮膚糸状菌症になってしまった場合は飼い主様も注意が必要で、人間が発症すると、皮膚にリングワームと呼ばれる円形の紅斑や痒みが見られます。

犬の皮膚糸状菌症の症状としましては、皮膚がガサガサになる鱗屑、発赤を伴う脱毛がよく見られます。頭部、四肢端に発症することが多く、痒みは軽度であることが多いですが、強いこともあります

犬の「円形脱毛」症状の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

膿皮症や急性湿疹は、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリバー、柴犬などアンダーコートの密度が高い犬で発症が多い傾向があります。

ヨークシャーテリアは皮膚糸状菌に感染しやすい傾向があるとされています。

犬の「円形脱毛」症状の予防方法について

正しいスキンケアをおこないましょう。

とくに高温多湿の時期に正しいスキンケアをおこないます。高頻度のシャンプーやしっかり乾かさないなど間違ったスキンケアをしてしまいますと、皮膚が蒸れてしまい皮膚のバリア機能が低下してしまう可能性があります。正しいスキンケアは円形脱毛の予防につながると言えます。
また、基礎疾患がある場合、その基礎疾患の治療をおこなうことは円形脱毛の予防につながる可能性があります。

犬の「円形脱毛」症状の治療方法について

膿皮症

表在性膿皮症の場合、抗生物質の内服を2~3週間程度おこないます。病変部位が小さい場合や抗生物質の内服の補助として、抗生物質の外用薬の塗布や抗菌シャンプーによるスキンケアをおこないます。
深在性膿皮症の場合、表在性膿皮症と同じく抗生物質の内服をおこないますが、4~6週間程度投薬する必要があります。
深在性膿皮症は表在性膿皮症が進行した結果であり、既に抗生物質の内服をしている場合や薬剤耐性菌が発生している場合が多いため、細菌培養検査、薬剤感受性試験を実施し、効果が期待できる抗生物質を選択することが望ましいとされています。また、病変部位が大きくない場合は局所療法をおこないます。毛刈り、消毒をすることで皮膚の汚れを取り除き細菌数を減らすことが期待出来ます。

急性湿疹

急性湿疹が見られた場合、抗生物質の投与をおこないます。炎症が強い場合には、消炎剤を投与することもあります。1~2週間程度で改善されることが多いですが、それ以上期間を要することもあります。

局所療法として毛刈りや消毒をすることもあります。また、痒みが強く患部を気にしてしまうような場合は、エリザベスカラーなどを用いて患部を触れないようにします。

皮膚糸状菌症

抗真菌薬を投与して、全身療法をおこないます。皮膚糸状菌が感染している毛が生えかわり消失するまで投与を継続する必要があるため、長期間投与することになります。
皮膚糸状菌に感染している毛を減少させるために毛刈りをおこない、抗真菌薬の経口投与と毛刈りに平行して抗真菌薬を含むシャンプー剤の洗浄、抗真菌薬の外用薬を塗布することもあります。
皮膚糸状菌症の犬の隔離と生活環境の清浄化もおこないます。とくにヨークシャーテリアは皮膚糸状菌に感染しやすいため、再感染を予防するためにも生活環境の清浄化は重要になります。

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