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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の「血尿がでた・尿に異常」症状とは

尿路の疾患が原因であることが多いです。

血尿とは、尿に血液が混じっている状態のことを指します。
血尿には、肉眼ではっきりとわかる場合と、肉眼ではわからず尿検査で初めて血液が混じっていることがわかる場合があります。

血尿が見られる場合、排尿痛、頻尿、尿臭がきつくなる、などの臨床症状を伴うこと多いです。

血尿は尿路疾患で見られることが多いです。
膀胱内の細菌感染や結石によって膀胱粘膜に炎症起こり出血することで、血尿が引き起こされます。
膀胱内の腫瘍が原因となることもあります。膀胱内の腫瘍から出血することで血尿が引き起こされます。

血尿に似たものに血色素尿と呼ばれるものがあります。
血色素尿とは、尿に血色素が出現することを指します。溶血性貧血やタマネギ中毒によって、赤血球が大量に破壊されて遊離した血色素を排出することで見られるようになります。

犬の「血尿がでた・尿に異常」症状の考えられる病気(原因)とは

膀胱炎

膀胱炎とは、細菌感染などの原因によって膀胱に炎症が起こっている状態です。
臨床症状としては、血尿、頻尿、不適切な排尿、異臭を伴う混濁尿などがよく見られます。

膀胱炎は犬でよく見られる疾患の1つで、約14%の犬が生涯の間に経験するという報告があります。

会陰部、消化器、生殖器、皮膚の常在菌が尿道を介して膀胱に感染することで引き起こされます。尿道が短いメスで多く見られます。

膀胱結石

膀胱内に結石が溜まってしまう疾患を膀胱結石と呼びます。

膀胱内に結石があると膀胱炎の症状が見られます。初期症状としましては、不適切な排尿、頻尿、残尿感から繰り返しトイレに行ったり長時間排尿姿勢をとることもあります。症状が進行しますと、血尿や排尿痛などが見られます。

ストルバイト結石が見られる場合、細菌感染を伴うことが非常に多く認められます。細菌感染ある場合は尿臭が変化したり、尿に膿が混じってくることもあります。

膀胱腫瘍

尿路に発生する腫瘍の中では70~80%が移行上皮癌であるとされ、遭遇する機会の多い悪性腫瘍です。
移行上皮癌は周囲の組織に浸潤しやすく、リンパ説や肺に転移しやすいとされています。

移行上皮癌の一般的な症状は、血尿、頻尿、排尿困難などです。
症状のみでは膀胱炎や膀胱結石と似ているため、区別は難しいと言えます。

犬の「血尿がでた・尿に異常」症状の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

膀胱結石は、シー・ズー、ウェルシュ・コーギー、柴犬、ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリア、ラサアプソ、パピヨンが好発犬種とされています。

移行上皮癌は、スコティッシュテリア、シェットランドシープドッグ、ビーグルが好発犬種とされています。

犬の「血尿がでた・尿に異常」症状の予防方法について

結石ができにくい生活を送りましょう。

血尿の原因となる膀胱結石の生成を防ぐためには、結晶ができにくい療法食を与える、おやつを与え過ぎない、など食餌面で気を付けましょう。

膀胱炎、膀胱腫瘍は早期発見・早期治療をおこないます。

タマネギ中毒は、タマネギを愛犬が届かない場所に保管することで予防しましょう。

犬の「血尿がでた・尿に異常」症状の治療方法について

膀胱炎

膀胱結石

抗生物質の投与を2~3週間続けます。

ストルバイト結石が原因となる場合は、食事療法やサプリメントの投与によって溶解を試みます。

シュウ酸カルシウム結石が原因となる場合は、溶解ができないため膀胱切開による外科的摘出が第一選択となります。

膀胱腫瘍

移行上皮癌の治療は、消炎剤の投与をおこなう場合があります。
また、抗がん剤、分子標的治療薬などを用いることもありあす。

移行上皮癌は外科療法をおこなう場合もあります。
移行上皮癌の多くは膀胱三角部に発生するこご多いため、根治を目的として膀胱・尿道全摘出
が選択されることもあります。

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