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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の「鼻血が出る(鼻汁に血が混ざる)」症状とは

鼻腔内で問題が起こっています。

犬が鼻汁に血が混じっている場合、鼻腔内で何らかの問題が起こっています。
鼻腔内に感染が起こっている、腫瘍ができている、歯の感染や炎症が波及している、などがあります。

鼻汁に血が混ざるという状態は大きな問題が起こっているということです。また、鼻が詰まってしまい嗅覚に障害が出てしまいますと、食欲が落ちてしまい衰弱してしまう可能性があります。早期発見することで悪化を防いだり、生存期間の延長が期待できる疾患があるため、飼い主様は、愛犬の鼻血に気付いたらすぐに動物病院で診てもらいましょう。

犬の「鼻血が出る(鼻汁に血が混ざる)」症状の考えられる病気(原因)とは

鼻腔内腫瘍

鼻腔内に発生する腫瘍の50%は鼻腺癌であるとされています。その他に扁平上皮癌、未分化癌、軟骨肉腫などが見られます。まれではありますが、リンパ腫や肥満細胞腫の発生も報告されています。多くは悪性腫瘍であり、良性腫瘍や炎症性ポリープの発生はまれです。

1~2ヶ月かけて徐々に症状が進行します。はじめに鼻炎の徴候が認められ、治療反応の悪化、鼻汁性状の変化が認められるようになります。薄い血液混じりの膿性鼻汁、鼻出血を伴う鼻汁が見られます。
その他の症状として、呼吸困難、顔面変形、くしゃみ、眼脂、流涙が見られることがあります。

鼻炎

鼻炎は、ウイルス、細菌、真菌による上部気道への感染症、異物の吸引、嘔吐、逆流などのによる二次的な感染症が引き起こされた結果、鼻粘膜の炎症が慢性化し、鼻腔内に分泌物や膿が蓄積する疾患です。感染症の他にはリンパ球形質細胞性、好酸球性鼻炎や原因が特定できない特発性の鼻炎もあります。

鼻炎の主な症状は、鼻汁とくしゃみです。感染症がある場合は、血液や膿が混じった鼻汁が見られます。鼻詰まりや嗅覚に障害がある場合は食欲不振が見られ、気道が完全に閉塞して通気性がなくなると呼吸困難が見られます。

歯根膿瘍

歯の根っこを歯根と呼びますが、歯根膿瘍は、歯根周辺に細菌感染が起こり膿が溜まってしまう疾患です。

歯根膿瘍の症状は、フードを食べにくそうにする、よだれが増える、鼻汁や鼻血が見られる、くしゃみを頻繁にする、口臭が強くなる、眼の下が腫れる、歯がグラグラする、などが見られます。
歯根膿瘍が進行してきますと、膿が充満し腫れてしまい、痛みも出てきます。ここまで進行した状態になってしまいますと、外科的な処置が必要になってきます。

犬の「鼻血が出る(鼻汁に血が混ざる)」症状の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

鼻腔内腫瘍はシェットランドシープドッグで発生が多いとされています。

犬の「鼻血が出る(鼻汁に血が混ざる)」症状の予防方法について

デンタルケアで予防できるものがあります。

日頃からデンタルケアをおこなうことも歯根膿瘍の予防につながると言って良いでしょう。デンタルケアをおこない、口腔内の環境を整えることで細菌感染のリスクを軽減できる可能性があります。
また、歯根膿瘍の原因の多くは破折であると言えますので、破折を起こさない生活を送りましょう。硬過ぎるおもちゃを与えない、ケージを咬まないように教える、などは歯根膿瘍の予防につながります。

鼻腔内腫瘍は、早期発見・早期治療が重要です。初期は転移が認められないことが多いため、早急な治療によって生存期間を延長出来る可能性があります。

鼻炎は粘膜の損傷が残っているかで予後が決まります。治療が遅れてしまい粘膜の損傷が重度になった場合は根治がより難しくなるため、早期発見・早期治療が重要です。

犬の「鼻血が出る(鼻汁に血が混ざる)」症状の治療方法について

鼻腔内腫瘍

鼻腔内腫瘍の多くは局所浸潤性であり、初診時に転移を認めないことが多いため、放射線療法単独が推奨されています。

外科療法と放射線療法を併用しても予後に差は無いとされ、化学療法の報告も少ないと言われています。

一部の消炎剤に鼻腔内腫瘍に対して抗腫瘍効果がある可能性が示唆されているため、大きな副作用が認められなければ投与することがあります。

鼻炎

治療は鼻炎の原因に対するものをおこないます。真菌性である場合は、抗真菌薬を投与します。

細菌感染に対しては、抗菌剤および粘液溶解剤を投与します。
ただし、これらの薬剤の内服投与は鼻腔内における薬物濃度が高くならないため、鼻腔内投与や吸入投与などの局所投与も推奨されています。

根治治療は難しく、長期的な管理になることが多いです。

歯根膿瘍

歯を温存するためには根管治療、外科的根管切除などの方法がありますが、抜歯が選択されるケースが多いと言えます。歯根周辺の化膿巣が大きい場合は抜歯が適応になります。抜歯後、必要に応じて抗生物質や消炎剤を投与します。

高齢で麻酔がかけられないなど外科的療法が難しい場合、抗生物質や消炎剤などの投与による内科的療法をおこなうこともあります。

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