犬の「白い細長い虫が便に混ざる」症状とは
寄生虫に感染しています。
便に白い細長い虫が混じっている場合、何らかの寄生虫に感染していることになります。
虫が見られていても症状が無いこともあるため、緊急性は高くはありませんが、必ず動物病院で診てもらいましょう。
犬の「白い細長い虫が便に混ざる」症状の考えられる病気(原因)とは
回虫症
犬回虫は、もっとも見られる機会の多い消化管内寄生虫です。4~18㎝程度の白く細長い虫です。人間にも寄生し、幼児に見られる内臓幼虫移行症の原因となっています。また、猫には寄生しません。
もっとも重要なルートは胎盤感染ですが、その他にも母乳感染、直接感染、待機宿主からの間接感染もあるとされています。
3か月齢以下の仔犬の体内では、感染後2週間で小腸に達し、4~5週間で産卵をおこなうようになります。
3か月齢以後の仔犬や成犬では組織移行型となり、幼虫は成長することなく全身の臓器や組織で被嚢して発育休止状態となります。
回虫症は主に仔犬に見られますが、通常量の感染ではほとんどが無症状とされています。胎生期に重度感染がある場合は死亡することもあり、新生児期では嘔吐や下痢から低栄養状態となり、二次感染を併発することがあります。
回虫症の症状は、低栄養状態、腹部膨満、下痢、貧血などでした。成虫の大量寄生があると腸閉塞、胆管への侵入、胃壁や腸壁の穿孔が見られることがあります。
鞭虫症
鞭虫症は多くの消化管内寄生虫と異なり、仔犬での発生はまれで、通常は成犬で見られる寄生虫病であることが特徴です。雄で4~5㎝、雌で5~7㎝の白く細い虫です。まれに人間に寄生することがあります。
感染幼虫あるいは虫卵を経口摂取することで感染し、経口摂取後30分以内に小腸で孵化します。8~10日後に小腸管腔内へ脱出、下降して盲腸へ達します。盲腸や結腸では、血液を摂取するために糸状の頭部を粘膜内に深く刺します。
盲腸や結腸の粘膜で肉芽腫性炎症を起こし、消化器症状が見られるようになります。粘液性または出血性下痢を伴う大腸性下痢が見られます。
幼虫や虫卵は、屋外の土中では数年間生存可能であるため、駆虫治療後も同様の飼育環境にいる場合は容易に再感染が起こります。
鉤虫症
鉤虫は、犬かの多くの動物に感染し、小腸に寄生します。1~2㎝程度の白く細い虫です。
主な感染ルートは、経口感染と経皮感染ですが、胎盤感染、母乳感染も見られます。
経口感染すると、6日後までに小腸に至り、26日後までに成虫になります。
生後3か月までの仔犬が経皮感染した場合は、4日後までに小腸に入り、17日後までには成虫に発育します。成犬が経皮感染した場合は、成虫になるものはなく、全身で移動した後に筋肉内で休眠状態となります。
症状は仔犬で見られることが多く、成犬では無症状であることが多いです。犬鉤虫の吸血や腸壁からの出血によって、腹痛、貧血、削痩、下痢が見られることがあります。
仔犬に重度な感染があった場合は、移行幼虫による肺や肝臓の病変が致命的となる場合もあります。
犬の「白い細長い虫が便に混ざる」症状の好発品種について
全犬種で好発します。
寄生虫ですので、どの犬種でも寄生する可能性があります。
犬の「白い細長い虫が便に混ざる」症状の予防方法について
定期的な駆虫をします。
フィラリア予防薬の中には、消化管内寄生虫を駆虫してくれる成分が入っているものがあります。
フィラリア予防薬を定期的に投与することが消化管内の寄生虫病の予防につながります。
犬の「白い細長い虫が便に混ざる」症状の治療方法について
寄生虫に合った駆虫薬を投与します。
発見された寄生虫に合った駆虫薬を投与します。
駆虫薬の他には対症療法をおこないます。
貧血が見られる場合は鉄剤などを投与します。