ウィズぺティ
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 犬の病気辞典 > 犬の「身体に内出血がある(赤紫や青紫になっている)」症状
Youtube 病気辞典
Youtube 病気辞典

監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の「身体に内出血がある(赤紫や青紫になっている)」症状とは

何らかの理由で血小板が減少しています。

身体に赤紫の内出血がある場合は浅い部分での出血、青紫の内出血がある場合は深い部分での出血であるとされています。

血小板とは、血液中の細胞であり、損傷した血管に付着することで出血を止める働きを持っていますが、身体に内出血がある場合、何らかの理由で血小板が減少している可能性があります。

血小板が減少する原因として、薬物中毒やウイルス感染などによる血小板の生産の減少、免疫介在性疾患や播種性血管内凝固などによる血小板の破壊と消費の亢進、大出血などによる血小板の体外への喪失などが挙げられます。

犬の「身体に内出血がある(赤紫や青紫になっている)」症状の考えられる病気(原因)とは

免疫介在性血小板減少症

内出血を引き起こす代表的な疾患に免疫介在性血小板減少症が挙げられます。免疫介在性血小板減少症は、抗体を介した免疫学的な機序による血小板破壊の亢進により、血小板減少をもたらす疾患です。

免疫介在性血小板減少症は、原発性と二次性に分類されます。
原発性の場合は、血小板の抗原に対する自己抗体の産生が原因であるとされています。
二次性の場合は、基礎疾患となる炎症性疾患や腫瘍性疾患の存在によって、抗体を介した血小板の破壊が生じると考えられています。

免疫介在性血小板減少症の症状としては、皮膚や粘膜における点状出血、紫斑、鼻出血、血便などさまざまな出血所見が見られます。

播種性血管内凝固

内出血を引き起こす代表的な疾患に播種性血管内凝固が挙げられます。播種性血管内凝固は、悪性腫瘍、敗血症、外傷などさまざまな疾患がトリガーとなり、全身性、持続性に著しい凝固活性が生じ、全身の微小血管内に微小血栓が多発する疾患です。進行すると血小板や凝固因子が消費されて低下し、点状出血や紫斑などの出血症状が見られるようになります。

播種性血管内凝固の二大症状として、微小血栓の閉塞による臓器障害、凝固因子が消費されて不足することによる出血症状が挙げられます。これらの二大症状が出現した段階では、予後は極めて不良であると言われてます。

播種性血管内凝固を引き起こす基礎疾患としては、悪性腫瘍、重篤な感染症、免疫介在性溶血性貧血、急性肝炎、子宮蓄膿症、広範囲な外傷・熱傷、熱中症などが挙げられます。また、悪性腫瘍の中でもリンパ腫と血管肉腫は、高い確率で播種性血管内凝固を引き起こすとされています。

犬の「身体に内出血がある(赤紫や青紫になっている)」症状の好発品種について

全犬種で好発します。

免疫介在性血小板減少症は、シーズー、トイプードル、マルチーズでよく見られます。

犬の「身体に内出血がある(赤紫や青紫になっている)」症状の予防方法について

早期発見・早期治療をおこないます。

免疫介在性血小板減少症は、予防方法は無く、進行を遅らせるためにも早期発見・早期治療が重要になります。

播種性血管内凝固は、原因となる基礎疾患の予防および早期発見・早期治療をおこないます。子宮蓄膿症、熱中症など予防できる基礎疾患はあります。

犬の「身体に内出血がある(赤紫や青紫になっている)」症状の治療方法について

免疫介在性血小板減少症

免疫介在性血小板減少症のもっとも重要な治療は、免疫抑制療法になります。

第一選択薬は副腎皮質ホルモン剤になります。犬の原発性の血小板減少症の70%は、副腎皮質ホルモンに良い反応を示します。

また、免疫抑制療法に加えて支持療法をおこなうことが必須になります。
血小板数が著しく減少している場合には、出血を防ぐためにケージレストをおこないます。
血小板減少に伴う出血によって貧血が見られる場合や、出血が続いている場合には、輸血をおこないます。
免疫抑制療法によって胃粘膜障害が見られる場合には、制酸剤や消化管粘膜保護剤を投与します。

播種性血管内凝固

播種性血管内凝固の進行を阻止するためには、基礎疾患の治療が最も重要となります。

基礎疾患の治療と並行して、血栓を溶かすための抗凝固剤の投与、凝固因子の補充とための輸血をおこないます。

播種性血管内凝固は、死の直前の状態であると言えます。そのため、基礎疾患が何であれ播種性血管内凝固が完全に成立してしまってからの救命は非常に難しいと言えます。

ナンバーサプリのウィズメディカ
ページ先頭へ SSL グローバルサインのサイトシール