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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の「白目や口の粘膜が黄色い」症状とは

白目や口の粘膜が黄色い時は、黄疸と呼ばれる状態です。

犬の白目、口の粘膜、皮膚などが黄色くなることを黄疸と呼びます。

黄疸とは、血液中のビリルビンと呼ばれる色素が増えることで発生します。
ビリルビンは、肝臓に取り込まれる前の非抱合型が肝臓に取り込まれることで抱合型となります。抱合型ビリルビンは胆管を通り十二指腸へ流れます。この流れのどこかで問題が起こりビリルビンが増えることで黄疸になります。

黄疸には、その原因によって肝性黄疸、肝後性黄疸、溶血性黄疸にわけられます。

肝性黄疸は、肝細胞の壊死や機能不全、肝内胆汁鬱滞により起こります。

肝後性黄疸は、肝外胆管の閉塞、胆汁の鬱滞が原因となります。胆石はまれですが、胆管炎はよく見られます。

溶血性黄疸は、ビリルビン生産の材料となるヘモグロビンが増加することで起こります。

犬の「白目や口の粘膜が黄色い」症状の考えられる病気(原因)とは

肝性黄疸

肝性黄疸には、急性肝炎が挙げられます。さまざまな原因により、急激に肝臓に炎症が起こっている状態を急性肝炎と呼びますが、はっきりとした原因が特定できないこともあります。
急性肝炎では肝臓が障害されることにより、様々な症状が引き起こされます。活動性の低下、食欲不振、嘔吐などの体調不良としてよく見られるような症状に加えて、黄疸や神経症状など肝臓が悪いことを示唆するような症状が見られるようになります。

肝後性黄疸

肝後性黄疸には、胆嚢粘液嚢腫が挙げられます。胆嚢粘液嚢腫とは、ムチン(糖と蛋白質が結合した粘性物質)に富んだ粘性の高い粘液が蓄積することで胆嚢が拡張してしまっている状態のことを言います。
20~30%程度は無症状であるとされていますが、過剰な粘液貯留の結果、胆道系の閉塞や胆嚢の裂孔および破裂などを引き起こし、嘔吐、食欲不振、元気消失、腹部痛、黄疸が見られることがあります。

溶血性黄疸

溶血性黄疸には、タマネギ中毒が挙げられます。
タマネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウなどの植物を摂取すると、赤血球膜やヘモグロビンの酸化によりメトヘモグロビン血症とハインツ小体形成が見られる溶血性貧血を引き起こします。
摂取して1日~数日で症状が現れます。

嘔吐、軟便、下痢、腹部痛、食欲低下などが初期に見られ、貧血が進行するに伴い粘膜蒼白、虚脱、呼吸数や心拍の増加、黄疸が見られるようになります。

犬の「白目や口の粘膜が黄色い」症状の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

急性肝炎は、好発犬種はありません。

胆嚢粘液嚢腫は、シェットランドシープドッグ、ミニチュアシュナウザー、コッカースパニエルなどの犬種が好発犬種とされています。また、高齢での発症が多いとされています。

タマネギ中毒にも好発犬種はありません。

肝後性黄疸

犬の「白目や口の粘膜が黄色い」症状の予防方法について

肝性黄疸

急性肝炎の原因となる感染症は、ワクチンで予防できるものがあります。かかりつけの動物病院と相談しながらワクチン接種をすることをお勧めいたします。
薬剤、中毒性物質などは犬が届かない場所に保管するなど、環境を整えることで予防できるものもあります。

肝後性黄疸

胆嚢粘液嚢腫を引き起こすリスクを高める要因として、高脂血症があります。高カロリーの食べ物、高脂肪の食べ物は避けるようにしましょう。さらに低脂肪食の食事療法をおこなうことで胆嚢粘液嚢腫の予防につながると言えます。

溶血性黄疸

タマネギやネギを食べさせないことで予防することができます。

犬の「白目や口の粘膜が黄色い」症状の治療方法について

肝性黄疸

急性肝炎の治療は、ほとんどの場合が対症療法となります。原因がはっきりしている場合は、その原因となるものの対処をします。
感染症が見られる場合は抗生物質などで感染症の治療を、薬剤や中毒性物質の摂取が原因として疑われる場合は中毒解毒剤などの投与で治療します。

肝後性黄疸

胆嚢粘液嚢腫には、確立された内科療法はありませんが、利胆剤、抗生剤などを投与し、低脂肪食を与え食事療法をおこないます。利胆剤を投与することで胆汁の流れを改善し、抗生剤を投与することで細菌感染を抑えます。
同時に見られている臨床症状に応じた対症療法をおこないます。嘔吐、腹部痛などをコントロールします。また、併発している内分泌疾患がある場合は、胆嚢粘液嚢腫のリスクを高めるため、積極的に治療します。

明らかな臨床症状が見られる場合は、外科療法が第一選択とされています。外科療法では、胆嚢摘出術が採用されます。

溶血性黄疸

タマネギ中毒に対する解毒剤や特別な治療法は存在しません。ネギ類を摂取して数時間以内であれば積極的に催吐や胃洗浄を試みます。
活性炭の投与も有効となります。

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