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TOP > 猫の病気辞典 > 猫の「白い細長い虫が便に混ざる」症状
Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の「白い細長い虫が便に混ざる」症状とは

消化管内にいる寄生虫が便に出てきた状態です。

猫のトイレを掃除しているときに、便に白い虫が混ざっていた場合、消化管内に寄生虫がいることを示しています。

便検査や駆虫を行ったことのない子猫や外猫で見られることが多い症状で、便に虫が混ざることもあれば、吐物に虫が混ざったり、肛門から直接白い虫体が出て動いていることもあります。

寄生虫がお腹にいる場合、他には以下のような症状が見られることがあります。

・食欲不振
・吐物に白い虫が出る
・軟便~下痢
・黒色便(タール便)
・発育不良(痩せている)
・貧血
・お腹が張っている
・咳をする
・毛ヅヤが悪い

消化管内の寄生虫は、成猫では無症状の場合もありますが、子猫の場合は上記のような症状が強く現れることもあり、できるだけ早く診断・治療することが重要です。

猫の「白い細長い虫が便に混ざる」症状の考えられる病気(原因)とは

様々なルートで消化管内寄生虫が感染します。

便に虫体が出てくるような寄生虫には以下のようなものがあり、それぞれ感染ルートが異なります。

・猫回虫、犬小回虫
 細長い白いミミズのような糸状の寄生虫です。
 感染猫の便に排泄される虫卵の経口摂取や感染している母猫からの経乳感染、または回虫の幼虫を体内に持つネズミの捕食などによって感染が起こります。

・瓜実条虫
 テープ状の白い扁平な寄生虫です。
 長い虫体として便に出るのは駆虫を行ったときで、通常は虫体が体の節でちぎれた片節という3~5mmほどの小さな粒状の虫体が排泄され、肛門周囲や便に付着しています。
 ノミが媒介して感染します。

・マンソン裂頭条虫
 テープ状の扁平な虫体で、長いものでは1~2mに及ぶこともあります。
 中間宿主であるカエル、蛇、淡水魚などの捕食によって感染します。

・鉤虫
 1~2cmほどの細い糸状の寄生虫です。
 感染している猫の糞便に排泄された虫卵や幼虫の経口感染、経皮感染が起こります。
 または感染している母猫からの経胎盤感染、経乳感染もあります。

猫の「白い細長い虫が便に混ざる」症状の好発品種について

全猫種で好発します。

どんな猫でも感染する可能性があり、特に外に出る猫では感染リスクが高くなります。

猫の「白い細長い虫が便に混ざる」症状の予防方法について

室内飼育である程度予防できます。

消化管内寄生虫の多くは、感染猫との接触やそれらの糞便などによって汚染された砂場や土、あるいは猫以外の中間宿主を捕食する、ノミが寄生しそのノミを口にすることで感染が成立します。

そのため、室内飼育を徹底することで新たな感染を予防することが可能です。

子猫を迎える際には必ず便検査を行いましょう。

子猫は母猫からの感染によって自宅に迎える際にすでに寄生虫に感染している可能性があります。
子猫を迎える際には健康診断として便検査を必ず行い、感染が認められる場合には必ず駆虫を行いましょう。

猫の「白い細長い虫が便に混ざる」症状の治療方法について

まずは駆虫を行います。

便に白い虫が出た場合には、まずは便ごと袋に入れて病院へ持っていきましょう。
実際に出た虫体の確認と、便検査で認められる虫卵などで寄生虫が確認出来たら、駆虫薬を投与して駆虫を行います。

駆虫薬には飲み薬のタイプや背中に垂らすスポットタイプのものなど、いくつか選択肢があります。
それぞれの寄生虫に対応したお薬を確実に投与できる方法で駆虫を行い、駆虫後も便検査を何回か繰り返し受け、駆虫が完了したことを確認しましょう。

同時にノミ対策、トイレの清浄化なども行います。

消化管内の寄生虫とともに、感染の原因となった媒介生物の駆除や、同居猫に対する検査、駆虫も同時に実施します。

また再感染の原因となりやすいトイレに関しては、砂を一度全て廃棄し、トイレの熱湯消毒などを実施し、よく乾燥させてから新しい砂を入れます。

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