ウィズぺティ
初めての方へ会員登録ログイン買い物かご
TOP > 猫の病気辞典 > 猫の「白目や口の粘膜が黄色い」症状
Youtube 病気辞典
Youtube 病気辞典

執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の「白目や口の粘膜が黄色い」症状とは

多くの場合、食欲不振や嘔吐などを伴います。

白目や口の粘膜が黄色くなる症状を「黄疸」といいます。
黄疸の黄色い色は、血液中に含まれるヘモグロビンが分解されて生じるビリルビンという色素で、通常は肝臓で代謝を受け、胆汁に含まれた形で胆嚢、腸管を経て便や尿中に排泄されます。
何らかの原因でビリルビンが大量に作られる、あるいは正常に処理されず、血中の濃度が高くなると黄疸が現れ、多くは以下のような症状を伴っています。

・尿の色が濃い黄色~オレンジ色
・食欲不振
・元気がない
・嘔吐
・下痢

また、疾患によっては腹水が貯まってお腹が膨れていたり、重度の肝機能障害を伴っている場合や血液疾患の場合には体に内出血などがみられることもあります。

黄疸は明らかな体の異常サインですので、直ちに病院で検査を受けましょう。

猫の「白目や口の粘膜が黄色い」症状の考えられる病気(原因)とは

肝臓疾患によって起こります。

ビリルビンは肝臓で代謝を受け、肝臓で作られる胆汁に含まれて胆嚢に運ばれます。
そのため、肝臓の機能に異常が生じると、ビリルビンの正常な代謝・排泄が行われず、黄疸が起こります。
黄疸がみられる肝臓疾患には以下のようなものがあります。

・胆管炎、胆管肝炎
・肝リピドーシス
・肝臓腫瘍
・肝障害

これらの疾患は細菌感染やウイルス性疾患、中毒性物質の摂取、薬の副作用、食事が長期間摂れなくなるような疾患などに関連して起こることがあります。

胆道の閉塞によって起こります。

肝臓で作られた胆汁は、一度胆嚢に運ばれて濃縮され、消化に必要な際に胆嚢から総胆管を通って十二指腸に分泌されます。
そのため、総胆管や十二指腸、近接する膵臓などに炎症や腫瘍が発生して胆汁の流路を圧迫したり、結石などによる閉塞が起こると、胆汁がうっ滞し黄疸を起こします。

特に猫では膵液を分泌する膵管と総胆管が合流してから十二指腸につながる構造をしているため、これらの臓器で起こった異常は互いに影響し合い、それによる黄疸も比較的よくみられます。

溶血性の疾患で起こります。

肝臓や胆嚢の異常ではなく、血液が大量に破壊されるような疾患に伴って黄疸が起こる場合もあります。

血液は健康な状態であっても一定のペースで血球の破壊と再生を繰り返し、常に新陳代謝を行っていますが、赤血球の破壊が急激に増加すると処理しきれないビリルビンが血中で増加し、黄疸が現れます。

代表的な原因としては免疫の異常で起こる溶血性貧血、ヘモプラズマ感染症やタマネギ中毒などが挙げられます。

猫の「白目や口の粘膜が黄色い」症状の好発品種について

好発する品種はありません。

品種による好発傾向は特にありません。

猫の「白目や口の粘膜が黄色い」症状の予防方法について

予防は難しいと考えられます。

黄疸を効果的に予防できる方法はありません。
尿のチェックや日ごろのスキンシップを通して、早期発見・早期治療に努めましょう。

猫の「白目や口の粘膜が黄色い」症状の治療方法について

それぞれの原因に対して肝臓を保護する治療を行います。

胆管炎や胆管肝炎、肝機能障害が起こっている場合、肝臓を保護する治療や肝臓の炎症を抑える治療などを行い、原因に応じて抗菌剤やステロイド剤の投与を行います。

肝リピドーシスでは、自力で食事がとれるようになるまでは入院下で点滴治療を行いながら食事を少しずつ摂取させます。
必要に応じて鼻や食道、胃などに給餌用のチューブを設置しなくてはならない場合もあります。
また同時に、肝リピドーシスを起こす原因となった疾患の治療を行います。

肝臓にできた腫瘍がリンパ腫や肥満細胞腫の場合には抗ガン剤治療を行います。
それ以外の腫瘍(肝細胞癌など)では切除が可能であれば手術を行います。

胆道閉塞の原因を治療します。

胆管の閉塞や膵炎、十二指腸炎などが原因で胆道閉塞が起こっている場合、それらを治療して胆汁の通路を開通させることが必要です。

治療のためには利胆剤や消炎剤、抗生物質などの投与が行われますが、重度の黄疸が現れ、食欲が廃絶している場合には静脈点滴や入院治療が必要になります。

腫瘍が原因として疑われる場合には、切除が可能かどうかを慎重に検討する必要があります。

溶血の原因に対処します。

免疫異常による溶血性疾患では、異常な免疫の働きを抑えるために高用量のステロイド剤や免疫抑制剤などを使用し、重度の貧血に対しては緊急処置として輸血などを検討します。

ヘモプラズマの感染が認められる場合には、抗菌薬を投与します。

タマネギ中毒が疑われる場合には、症状が改善するまで点滴や吸着剤の投与など対症療法を行います。

ナンバーサプリのウィズメディカ
ページ先頭へ SSL グローバルサインのサイトシール