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Youtube 病気辞典
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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の甲状腺機能亢進症とは

高齢猫によく見られる病気です。

甲状腺は体の代謝に関わるホルモンを分泌しています。
様々な器官の働きに関連しており、体の活動性を保つために重要な働きをしています。

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる病気です。
猫の内分泌の病気では最も多い病気で、猫の品種に関わらず、どんな猫でも高齢になると起こりうる病気です。

しかし、症状が出ていても「年の割に元気」と思われるだけで、見過ごされることも少なくありません。

猫の甲状腺機能亢進症の症状とは

血圧や代謝が上がり、性格も変化することがあります。

甲状腺ホルモンは、代謝や体温調整に関わるホルモンです。

甲状腺ホルモンが過剰になると、
・食欲の異常亢進
・食べているのに痩せる
・活動的になる
・興奮しやすく、攻撃的になる
・大きな声で鳴く
・落ち着きがない
・眼がランランとしている
・水をたくさん飲んでたくさんおしっこをする
・毛艶が悪くなる
・下痢
・嘔吐
・呼吸が早い
といった症状が現れます。

また、心拍数が増え、血圧も上昇することから心臓にも負担がかかり、心臓の筋肉が肥厚してうまく血液を体に送れなくなったり、心雑音や不整脈が出たりします。
そのため、運動したり興奮したときに虚脱してしまったり、呼吸困難に陥ることがあります。

このような状態で治療せずにいると、徐々に体が消耗し、逆に食欲・元気が低下して命に関わる状態になってしまいます。

猫の甲状腺機能亢進症の原因とは

はっきりとした原因は不明です。

甲状腺が肥大したり、良性(悪性は稀)の腫瘍ができることによってホルモン分泌が過剰になっておこります。
甲状腺が大きくなる要因の一つとして、ヨウ素などの栄養因子や毒素や薬物などの環境因子の影響が考えられていますが、はっきりとは解明されていません。

猫の甲状腺機能亢進症の好発品種について

好発する品種はありません。

どんな猫でも高齢になると起こることがあります。
特に10歳以上の猫で起こる病気で、性別による差などもありません。

猫の甲状腺機能亢進症の予防方法について

高齢になったら定期的に検査を受けましょう。

効果的な予防法は特にありません。
高齢になったら定期的に健康診断を受け、体重や心音などに異常を認めたら、甲状腺ホルモン検査を含めた検査をしてもらいましょう。

猫の甲状腺機能亢進症の治療方法について

お薬で甲状腺ホルモンを抑えます。

治療法は主に2つ、薬物療法でホルモン分泌を抑えるか、外科手術で大きくなった甲状腺を切除するかです。

薬物療法で使用されるのは抗甲状腺薬です。
甲状腺でホルモンが合成されるのを抑えるお薬です。
治療開始時には少ない量から始め、定期的に甲状腺ホルモンを測定しながら量を調整していきます。

副作用として、嘔吐や下痢、元気消失などが出ることがあるので、治療開始時には特に様子をよく観察することが重要ですが、比較的安全に行える治療です。
ただし、腫瘍化した甲状腺を小さくする効果はありません。
ほとんどの場合、お薬の内服は生涯続ける必要があります。

治療の補助として、ヨウ素の含有量を制限した処方食なども販売されています。
こうした食事に変えることで、投薬量を減らすことができる場合もあります。

治療を始めることで、隠れていた慢性腎不全が顕在化してしまうことがあります。治療開始直後は特に体調の変化に気を配り、定期的な検査を受けることをおすすめいたします。

外科手術を行う場合もあります。

外科手術は、大きくなった甲状腺を切除する手術です。
甲状腺は左右にありますが、片側が腫れている場合でも両側の甲状腺を切除します。
もともと高齢の猫で起こる病気であるうえに、高くなった甲状腺ホルモンの影響によって心臓や腎臓、肝臓など内臓に障害がある場合も多いため、麻酔リスクが高くなり、また神経損傷などの合併症を起こす可能性から選択されない場合が多い治療ですが、完治を目指す治療です。

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