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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の子宮腫瘍とは

多くは悪性の腫瘍です。

猫の子宮腫瘍の発生はあまり多くありません。
これは、飼い猫の避妊手術の重要性が広く飼い主さんに浸透しつつあるため、腫瘍化する前に切除されていることに関連しています。

しかし、未避妊の中~高齢猫では腫瘍を発症することがあります。
多いのは子宮腺癌で、他には平滑筋腫、平滑筋肉腫、線維腫、線維肉腫、リンパ腫、扁平上皮癌などといった腫瘍が報告されています。
この中で腺癌、肉腫、リンパ腫、癌は悪性腫瘍に分類されます。

犬の子宮腫瘍に比べ、猫の子宮腫瘍は悪性腫瘍の発生率が高くなっています。
早期発見できれば手術で切除でき、予後も良くなりますが、子宮の腫瘍は症状がわかりにくいことが多く、診断時には脳、卵巣、腎臓、膀胱、腸、肺、眼球、リンパ節などに転移してしまっていることがあります。

未然に防ぐには避妊手術を受けておくことが重要です。
また、未避妊の猫が高齢になった場合には、発情の異常や陰部からオリモノが出ている場合などには特に気を付けましょう。

猫の子宮腫瘍の症状とは

目立った症状が出ない場合も多く発見が遅れます。

子宮の腫瘍の場合、あまり目立った症状が出ないことが多いため、初期には気が付かないことの方が多いようです。
そのため、異常に気付いたときにはある程度進行してしまっていることが多く、中でも悪性腫瘍の場合にはすでに転移が起こってしまっています。

症状として認められるものには以下のようなものがあります。
・食欲不振
・元気消失
・お腹が膨れている
・発情の異常
・陰部から分泌物(オリモノ)が出る
・排便・排尿困難

オリモノが認められることがありますが、その性状は様々で、透明な粘液状のこともあれば、白く混濁した粘液や血液が混ざっている場合もあります。

腫瘍がお腹の中で大きくなると、腫瘍の圧迫によって排泄が困難になったり、胃腸を圧迫することで食欲が低下し、吐き気などが見られることもあります。
また、腹腔内で転移や播種が起こると、腹水が溜まってお腹が膨れる場合もあります。

猫の子宮腫瘍の原因とは

原因はよくわかっていません。

性ホルモンが関与している可能性がありますが、詳しい原因はよくわかっていません。

猫の子宮腫瘍の好発品種について

好発する品種はありません。

品種による好発傾向はありません。
多くは未避妊の高齢猫で起こる疾患です。

猫の子宮腫瘍の予防方法について

避妊手術で予防できます。

将来的に出産させる予定がないのであれば、若くて麻酔リスクが低い内に避妊手術を受けることをお勧めします。

避妊手術は発情の抑制だけでなく、子宮・卵巣の腫瘍、子宮蓄膿症、乳腺腫瘍の発生予防として重要な意味を持ちます。

猫の子宮腫瘍の治療方法について

子宮卵巣摘出術を行います。

子宮腫瘍の根本的な治療は、子宮卵巣摘出術をすることです。
腫瘍が転移したり、他の臓器に癒着したりしていなければ、手術で腫瘍細胞を完全に取り去ることができ、予後は良好です。

しかし、手術時に既にお腹の中に播種しているなどといった転移がみられるような場合には、あまり予後が良くありません。

化学療法や放射線療法で補助治療を行います。

子宮の悪性腫瘍は、脳や卵巣、リンパ節、肝臓など、他の臓器にも転移します。
診断時にすでに転移が認められる場合や、開腹手術によって腫瘍の転移が認められた場合は、抗がん剤治療や放射線療法を併用して、転移病巣の成長を抑える治療を行います。

放射線治療は特別な装置が必要なため、大学病院などの医療施設を受診する必要があり、治療には複数回の麻酔が必要です。

抗がん剤治療は、腫瘍の種類によって使用する抗がん剤が変わりますが、多くの場合は副作用として吐き気や下痢などの消化器症状を示し、治療直後は食欲が低下します。
副作用が出ても一時的で、皮下点滴や制吐剤などで体調を整えてあげることで多くは回復しますが、副作用が出た場合の対応などについて、あらかじめよく説明を受けたうえで治療に臨む必要があります。

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