猫の腎周囲偽嚢胞とは
腎臓の周りに水がたまる病気です。
腎周囲偽嚢胞とは、腎臓を包む腎被膜と腎臓の間に液体が溜まる病気です。
多くはレントゲン検査や超音波検査で偶発的に発見されます。
症状はほとんどないことが多いですが、嚢胞が大きくなるとお腹が膨れ、臓器が圧迫されることで元気や食欲が落ちることもあります。
命に関わることはあまりなく、発症も比較的稀です。
猫の腎周囲偽嚢胞の症状とは
ほとんどが偶発的に発見されます。
一般的には腎周囲偽嚢胞は症状を示しません。
健康診断や他の病気の検査時に偶発的に発見されることが多い病気です。
無症状のまま腎臓周囲の液体が増え、嚢胞が大きくなると、お腹が膨れることによって気づかれます。
嚢胞が大きくなると、お腹の中の臓器が圧迫されることによって食欲が低下したり、元気がなくなったりすることもあります。
腎不全を併発している場合もありますが、嚢胞ができていることと腎不全の関連ははっきりしていません。
腎不全を併発している場合には、
・多飲多尿
・食欲不振
・吐き気
・下痢
・脱水
などがみられます。
通常は左右2個ある腎臓のうち、片側だけが罹患しますが、稀に両側の腎臓が罹患する場合もあります。
進行は比較的緩やかで、命を脅かすような状態になることはあまりありません。
猫の腎周囲偽嚢胞の原因とは
原因は不明です。
原因はわかっていません。
外傷や尿路閉塞、腎被膜のリンパ液循環障害などが可能性として考えられていますが、はっきりとした機序は不明のままです。
猫の腎周囲偽嚢胞の好発品種について
全猫種で好発します。
好発品種は特にありません。
発生は8歳以上のオス猫に多く見られます。
猫の腎周囲偽嚢胞の予防方法について
健康診断で早期発見に努めましょう。
予防方法は特にありません。
シニア期を迎えたら定期的に健康診断を受け、お腹の触診やレントゲン、超音波検査などを受けることが早期発見につながります。
猫の腎周囲偽嚢胞の治療方法について
無症状の場合は経過観察します。
全く症状がない場合は、無治療で経過観察します。
針を刺して液体を抜去することがあります。
症状がある場合や、嚢胞の液体を検査する時には、皮膚の上から針を刺して液体を抜くことがあります。
液体を抜いた後は嚢胞はしぼみますが、効果は一時的です。
しばらくするとまた液体が溜まるので、必要に応じて抜去を繰り返すことになります。
根本的な治療は腎臓の被膜を切除することです。
再発させない治療法は、手術で腎臓の被膜を切除してしまうことです。
しかし、腎不全を併発している場合には麻酔自体がハイリスクとなる場合もあるため、治療の選択には全身状態や年齢などを考慮したうえで、治療効果がリスクを上回るかどうか、よく検討する必要があります。