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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬の網膜剥離とは

感覚網膜と網膜色素上皮が離れる状態を言います。

網膜剥離とは、感覚網膜と網膜色素上皮が離れる状態を言います。

犬の網膜剥離の症状とは

視覚障害を引き起こします。

感覚網膜の外層に存在する視細胞は、網膜色素上皮を介して脈絡膜から栄養供給を受けており、網膜剥離が生じると視物質を含む視細胞の外節が失われ、網膜が剥離している範囲に応じて視覚障害を引き起こします。網膜の全域が剥離した場合には、視覚を喪失します。

網膜剥離は、病態生理学的に裂孔原性網膜剥離と非裂孔原性網膜剥離に分類され、非裂孔原性網膜剥離はさらに漿液性網膜剥離と牽引性網膜剥離に分類されます。犬では牽引性網膜剥離の発生はまれとされています。

犬の網膜剥離の原因とは

裂孔原性網膜剥離

裂孔原性網膜剥離は、感覚網膜に生じた裂孔から主に液化した硝子体が入り込むことによって生じます。網膜に裂孔が生じる原因として、外傷、コリー眼異常、網膜異形成、硝子体変性、網膜の菲薄化、眼球の拡張などが挙げられます。

硝子体変性の遺伝的素因を持つ犬種(イタリアングレイハウンド、シーズーなど)で、鋸縁状の大裂孔による裂孔原性の網膜剥離がよく見られます。

漿液性網膜剥離

漿液性網膜剥離は、感覚網膜下に滲出液や血液が貯留することで生じ、その原因は脈絡膜の炎症であるとされています。犬の脈絡膜の炎症の原因としましては、ぶどう膜皮膚症候群のような自己免疫性疾患、過粘稠血症候群、全身性高血圧などが挙げられます。また、原因が特定できない特発性ぶどう膜炎も多く見られます。

犬の網膜剥離の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

網膜剥離を引き起こす基礎疾患の好発犬種が、網膜剥離の好発犬種と言えます。

コリー眼異常の好発犬種とされるオーストラリアンシェパード、コリー、シェットランドシープドッグ、ボーダーコリー、ぶどう膜皮膚症候群の好発犬種とされる秋田犬は注意が必要です。

硝子体変性の遺伝的素因を持つイタリアングレイハウンド、シーズーも網膜剥離の好発犬種と言えます。

犬の網膜剥離の予防方法について

原因疾患の早期発見、早期治療をおこないます。

網膜剥離の原因となる疾患の早期発見、早期治療が網膜剥離の予防につながると言えます。

犬の網膜剥離の治療方法について

裂孔原性網膜剥離

裂孔原性網膜剥離において、剥離した網膜を復位させる唯一の方法は外科的治療になります。裂孔原性網膜剥離に対する外科手術としましては、強膜バックリング、網膜冷凍凝固術、レーザー網膜光凝固術、気体注入法、硝子体手術などがあります。レーザー網膜光凝固術は、白内障手術後や水晶体摘出後、シーズーなどの裂孔原性網膜剥離好発犬種に対する予防的治療としておこなわれることがあります。

小さな網膜裂孔に対して、それ以上に網膜剥離の範囲を拡大させないようにするために、裂孔周囲の網膜にレーザー網膜光凝固術をおこなうことがあります。また、現在犬の網膜全剥離に対してはは硝子体手術が主流となっています。

裂孔原性網膜剥離では、ぶどう膜炎や緑内障を続発することがあります。ぶどう膜炎の治療はNSAIDsまたはコルチコステロイドの点眼または全身投与、緑内障の治療はプロスタグランジン製剤の点眼がおこなわれます。

漿液性網膜剥離

漿液性網膜剥離において、剝離した網膜を復位させるためには、原因となっている脈絡膜炎の治療をおこないます。脈絡膜炎の治療は、その原因を特定し、その原因に対して治療することが必要です。

漿液性網膜剥離の原因となるぶどう膜皮膚症候群および特発性ぶどう膜炎の治療は免疫抑制療法がおこなわれます。プレドニゾロンや免疫抑制薬の投与をおこないます。治療は長期間に渡ることも多く、投薬中止後に再発することも多いとされています。

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