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執筆獣医師:齋藤厚子先生
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

猫の鼻炎とは

鼻の粘膜に炎症が起き、くしゃみや鼻汁などが出ます。

鼻の粘膜に炎症が起き、鼻汁やくしゃみなどが見られる状態を鼻炎といいます。

猫は猫カゼ症状を起こすウイルス感染症や細菌感染によって起こる鼻炎が多いですが、中にはアレルギーや鼻に入った異物が原因となっている場合や、歯根が化膿していることから鼻汁(膿)が出る場合もあります。

治療は原因によって全く異なるため、鼻汁=猫カゼ、と決めつけずにしっかり検査してもらうことが重要です。

また、感染性の鼻炎は他の猫にもうつってしまうことがあるため、多頭飼育の場合には定期的な予防接種等ウイルス対策をしっかり行い、感染症を蔓延させないことが大切です。

猫の鼻炎の症状とは

鼻かぜ症状がみられます。

鼻炎があると、以下のような症状が見られます。

・くしゃみ
・鼻汁(透明~膿性)
・呼吸の音がズーズーする
・鼻が詰まっている
・鼻汁に血が混ざる
・口を開けて呼吸している
・食欲低下
・目ヤニや涙目

原因にもよりますが、鼻と眼は鼻涙管という細い管によってつながっているため、感染症などで鼻の炎症がひどくなると鼻涙管を通じて炎症が目におよび、目ヤニや涙目などが見られることがあります。

猫は通常、口を閉じて鼻で呼吸しますが、鼻炎によって左右両方の鼻の穴の通りが悪くなると口を開けて呼吸する様子が見られます。

また、食欲には嗅覚が大きな影響を与えており、鼻が苦しいために食べづらいことに加えて、臭いを感じにくくなることによっても食欲が低下してしまいます。

猫の鼻炎の原因とは

感染症が原因です。

鼻炎の原因になる感染症には以下のようなものがあります。
・猫ヘルペスウイルス
・猫カリシウイルス
・クラミジア
・アスペルギルス
・クリプトコッカス
・鼻ダニ
・線虫
・パスツレラ
・ボルデテラ

多くの場合は、猫に風邪症状を起こすウイルス感染症が原因です。
特に子猫の時に多く見られ、鼻が詰まっているためにうまく授乳できず、成長に悪影響を与えることもあります。

他には細菌感染、稀に真菌感染や寄生虫などが見られることがあります。

異物に対する反応としておこります。

花粉やハウスダストなどのアレルゲンに反応して鼻炎が起こることがあります。

また、草むらで臭いを嗅いだ際に草ののぎなどが鼻に侵入し、それに対する異物反応が起こった結果、鼻炎を発症することもあります。

その他の原因で起こることがあります。

歯周病によって上顎の歯の根の先端が化膿して膿瘍を形成し、それが鼻腔内に開通して膿性鼻汁が出ることがあります。

他には、先天的に上口蓋に穴が開いている「口蓋裂」などが存在すると、口にしたものが鼻腔内に慢性的に入り込むことによって炎症を起こしやすい状態になってしまいます。

鼻腔内に形成された腫瘤が炎症を起こすこともあります。
良性のポリープの他に、猫では鼻のリンパ腫などの発生も多く、他には腺癌、軟骨肉腫、骨肉腫などといった、あまり良くないタイプの腫瘍が形成されることもあります。

猫の鼻炎の好発品種について

全猫種で好発します。

どんな猫でもおこります。

猫の鼻炎の予防方法について

予防接種で感染症を予防しましょう。

ウイルス疾患など、感染症によっておこるものの中には、ワクチン接種によって抵抗力を高め、発症を予防できるものもあります。
若くて元気なうちは定期的にワクチン接種を受けるようにしましょう。

室内飼育が予防策の一つです。

感染症は主に外に出た際に、感染している猫との接触によってうつります。
室内飼育にして感染の機会を減らすことが、鼻炎の発症予防にもなります。

猫の鼻炎の治療方法について

感染症の治療を行います。

ウイルス疾患や細菌感染がもとで起こっている鼻炎の場合は、その原因に応じてインターフェロンや抗生物質を投与することで治療を行います。

アレルゲンを除去します。

アレルギー反応として起こっている鼻炎の場合は、可能であればアレルゲンを除去することが第一選択です。

部屋の掃除や生活環境整備によって症状が軽減する場合もありますが、花粉などが原因の場合はアレルゲンをゼロにすることはできません。

そのため、症状を軽減するために抗ヒスタミン剤や、程度によってはステロイド剤などを使用して、炎症を抑える治療を行います。

口腔内の問題には歯科処置が必要です。

歯根膿瘍が原因の場合は、原因となっている歯を抜歯しなくてはなりません。
抜歯を行った後は歯の根の周りをキレイにデブライド(感染が起こっている組織を取り除くこと)し、歯肉を縫合することで口の中と鼻の連絡路を閉じることが必要です。

先天的に口蓋裂が存在し、口と鼻が連絡してしまっている場合には、手術によって口蓋裂を閉鎖することが必要です。

異物や腫瘍が鼻の中にある場合には摘出を検討します。

鼻炎症状が片側だけに見られる場合には、異物が入っていることや腫瘍などが形成されている可能性があるため、まずは内視鏡などで鼻の中を確認します。

異物が確認された場合にはそれを摘出することで鼻の炎症はやがて落ち着きます。

腫瘤が形成されていることが確認できた場合には、組織を検査し、その診断に基づいて抗がん剤治療や外科切除、放射線治療などの治療を検討します。

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