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Youtube 病気辞典
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監修: 葛野 宗 獣医師
[記事公開日]  [最終更新日]
[ 目次 ]

犬のコリー眼異常(コリーアイ)とは

特定の犬種で見られる遺伝性の眼疾患です。

コリー、シェットランドシープドッグなどの特定の犬種にみられる遺伝性の眼疾患です。無症状から失明まで様々な症状がみられます。

犬のコリー眼異常(コリーアイ)の症状とは

眼球の異常が起こります。

コリー眼異常の臨床症状としましては、様々な眼球の症状がみられます。軽度であれば日常生活に支障をきたすことはありませんが、重度の場合は生後数か月で発症し失明することもあります。

眼球のもっとも外側を形成する強膜の一部が外側に拡張するために、脈絡膜や網膜なども一緒に陥凹する強膜拡張症や、脈絡膜の低形成、眼底血管の蛇行や大きさの異常、視神経乳頭形成不全、眼内出血、網膜剥離など様々なものがみられます。

また、コリー眼異常の一部として小眼球症が頻繁に発症します。小眼球症は、眼球癆(眼球が収縮した状態、死亡した眼球)に移行し無症状に落ち着くこともある一方、持続する痛みや高眼圧に苦しむこともあります。小眼球症は、顔貌の様相が異なるため、一見してわかりやすい状態です。

グレード分類

コリー眼異常は、5段階にグレード分類されます。

・グレード1:眼底血管の蛇行や大きさの異常がみられる。
・グレード2:脈絡膜の低形成がみられる。
・グレード3:コロボーマと呼ばれる組織の欠損がみられる。
・グレード4:網膜剥離を起こしている。
・グレード5:眼内出血がみられる。

グレード3以上で視覚障害があらわれるとされています。また、基本的にはグレードが進行することはありません。

犬のコリー眼異常(コリーアイ)の原因とは

遺伝性の疾患です。

コリー眼異常は、常染色体劣性遺伝です。常染色体上にある1対の遺伝子の両方に変異が無いと発症しないため、発症していなくてもキャリアとして遺伝子を持っている場合があります。そのため、好発犬種であるコリーやシェットランドシープドッグの繁殖を考えている場合は、遺伝子検査を受ける必要があります。遺伝子検査を受けることで発症しないキャリア犬の検出が可能となります。

犬のコリー眼異常(コリーアイ)の好発品種について

以下の犬種で好発がみられます。

コリー、シェットランドシープドック、オーストラリアンシェパード、ボーダーコリー、北海道犬などでみられます。とくにコリーは罹患率が高いとされ、40~75%が罹患しているという報告があります。

犬のコリー眼異常(コリーアイ)の予防方法について

発症の予防方法はありません。

コリー眼異常の発症の予防方法はありません。しかし、罹患動物の繁殖を制限することでコリー眼異常罹患犬の増加をコントロールすることができます。犬の遺伝性疾患は罹患犬の同系交配を避けることで罹患する犬の増加を抑制することが可能となり、継続して遺伝性疾患の繁殖制限をすることが全ての遺伝性疾患の根本治療につながると言えます。

犬のコリー眼異常(コリーアイ)の治療方法について

治療方法はありません。

コリー眼異常そのものに対する治療方法はないため、臨床症状に応じた治療をおこないます。痛みや視覚に問題が無い場合は、無治療で経過観察します。

網膜剥離がみられる場合は、その治療をおこないます。剥離した網膜を外科的治療で復位させます。また、ぶどう膜炎や緑内障を続発することがあるため、消炎薬や眼圧を下げる薬を点眼する場合があります。

小眼球症がみられる場合は、緑内障を続発することがあるため、眼圧上昇が認められる場合は、眼圧を下げる薬を点眼します。しかしながら、視覚が無くなってしまっている場合は、全身麻酔をかけられる状態であれば眼球摘出や義眼挿入が選択されることがあります。

失明してしまった場合は、罹患犬は家具にぶつかってしまうなど外傷に気をつける必要があります。環境を整えて外傷を負わないようにしてあげましょう。

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